ゼネコン研究シリーズ③「福田組」
新潟を本拠地に全国展開する中堅ゼネコンの福田組は、土木から建築まで手広く手がけ、子会社に福田道路(売上高430億円、自己資本130億81百万円、同率32.7%、07/12期)という優良会社も有している。
しかし、主力事業の土木工事での売上高は、官公庁関係の予算減から限界があり、建築事業を拡大中であるが、前期は工事現場の引当金を33億円も計上して、100億円の赤字を露呈した。
連結・百万円 | 2006年12月期 | 2007年12月期 | 2008年12月期 |
売上高 | 180,340 | 184,411 | 160,697 |
営業利益 | 4,410 | 4,936 | -3,340 |
経常利益 | 5,002 | 4,599 | -4,479 |
当期利益 | 1,603 | -280 | -10,085 |
総資産 | 148,170 | 157,985 | 144,599 |
自己資本 | 41,133 | 40,186 | 29,328 |
資本金 | 5,158 | 5,158 | 5,158 |
有利子負債 | 33,036 | 42,712 | 50,845 |
自己資本率 | 27.80% | 25.40% | 20.30% |
今期も1,420億円の売上高予想に対して営業利益23億円、経常利益18億円、純利益は▲33億円の赤字を見込んでいる。3期連続の赤字予想である。新潟地震などの特需もほぼ終わり官庁工事の減少を積極的な民間工事へのシフトは評価に値するが、民間工事はリスクを伴い危険性が高い。こうしたリスクは既に同社の財務内容を蝕みつつある。総資産が減少しているにも関わらず、有利子負債は増加し続けており、以前のような健全領域にある福田組ではなくなってきている。
業界環境は、昨日掲載した住宅着工件数(県別・月別)に見られるように、住宅着工件数は底抜け状態に突入しており、本格的な景気回復の兆しが見えない限り厳しい状況が続く。子会社の福田道路も人員リストラに着手しており、同社の経営環境も悪い。