アイコン ヤマダ電機とベスト電器の戦い②/火を吹くベスト電器⑤

ヤマダ電機の山田オーナーは徹底している。ケーズデンキの水戸本社の喉元に大型店をオープンさせたニュースが流れていたが、ベスト電器も全く同じであった。現在の本社地は元々福岡の東浜店として、隣接したゆめタウンの開業に合わせ、大型化してオープンさせていた。ところが、近隣に大型店のコジマ・ヤマダ電機があり、ヨドバシカメラもオープン、売上低迷が続き閉鎖。現在は古くなっていた須崎の本社を移転させて使用している。

 

その本社の旗艦店となる予定であった福岡市東区の国道3号線沿いに香椎店を平成17年11月新築オープンさせた。ところが、オープン予定の3ヶ月前に隣のダイエー跡地(地の利が良い)にヤマダ電機が入居することが判明、ベスト電器はオープンを1ヶ月早めてヤマダ電機よりかろうじて先にオープンさせたものの、その後は鳴かず飛ばずの状況。
 平成4年ヤマダ電機宮崎店をオープンさせた時にベスト電器から受けた仕打ちの仕返しのような出来事であった。
 ベスト電器の当初はバーゲンセンターとして家電品や時計などがとにかく安かった。またバッタ品などいろいろな商品があり面白かったものである。その後会社は大きくなり、それほど価格的魅力はなくなり、アフターサービスを売り物にするようになった。ところが今の電気製品は故障知らず、故障しても内部構造がいくつかのパッケージで構成され、故障部分をパッケージ毎交換するという修理手法に変わった。修理にそれほどの専門知識は必要なくなり、修理等のアフターサービスに強かったベスト電器の強みはなくなったのである。
福岡進出組に対抗してベスト電器は、大型店を多く作ってきたが、まだ主力は中型店や中小型のFC店。品物の種類や数だけ多く、それだけ販売知識も必要となりコスト高にもなる。ヤマダ電機は、電化製品の全てを置いているわけではなく、売れ筋商品に的を絞った販売戦略を採っている。パソコンや液晶テレビなど販売主力品は自社仕様でメーカーに低価格で作らせ、安く販売しても利益を出す。しかし蛍光灯などは品揃えも少なく販売価格も案外高い。それでも買う人がいるから儲けが出る仕組みとなっているが、売れ筋商品以外の商品は、どうぞ商品種類の多いベスト電器へみたいな商売手法でもある。若い人はパソコン・液晶テレビなどの価格を念頭に、ヤマダ電機は安いというイメージを作っており、ヤマダ電機の戦略は成功している。自社仕様買取制でのメリットは、安く調達できる点であり、商品の切り替え時期前には、人寄せパンダの商品にして超格安で処分することもできる。
ベスト電器が過去全国に怒涛の進撃をしたとき、ナショナル店会や東芝店会・日立店会などのメーカー系列家電屋さんを家電製品の価格で駆逐していったように、今またヤマダ電機が価格でベスト電器等を駆逐しているのである。
福岡には、平成11年から14年の間にヤマダ電機・コジマ・ビックカメラ・ヨドバシカメラが参入してきた。先に進出していた広島の第一電器(現、デオデオ)は、エディオングループになっても、福岡地区では殆ど中型店舗で頑張っている。
 

[ 2010年1月19日 ]
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