過激な仁義なき牛丼戦争②・吉野家・決算大赤字

＜前期決算敗戦の弁＞
吉野家は、2010年2月期連結決算の修正予想を発表した。子会社である㈱京樽と㈱どんにおいて、それぞれ24億02 百万円、17億55 百万円の特別損失など、不採算店舗の増加による店舗資産の減損により60億45 百万円①を計上。

また、不採算店撤退の建物等の除却損および売却損7億84 百万円、店舗閉鎖損失引当金4億57 百万円、どんに係るのれん減損損失26億78 百万円、その他4億07 百万円、以上計43億26百万円②、①+②の合計103億71 百万円を特別損失に計上して今期89億41百万円の赤字となると発表した。

＜顧客層＞

　「吉野家」の戦略は、顧客の状況をよく掴んでいないと思うところがある。今回の牛丼戦争は、前回(2001年)と異なり、消費者の懐が当時と較べ、より疲弊している。安倍社長が言う「値下げより品質重視する」のは、価格に敏感ではない層が対象ならば生きてこようが、1日1食か2食の層(低所得者層や学生)も顧客に多く抱えており、そうした層に対して訴えかけても何ら効果はない。

	既存店舗売上高		既存店舗客数		既存店舗客単価
	すき家	吉野家	すき家	吉野家	すき家	吉野家
9月	95.80%	94.20%	98.70%	93.20%	97.00%	101.10%
10月	94.90%	89.40%	98.10%	84.50%	96.80%	105.80%
11月	89.30%	93.20%	93.60%	93.20%	95.40%	100.00%
12月	101.60%	77.80%	115.90%	75.10%	87.70%	103.50%
1月	97.80%	86.90%	112.60%	91.00%	86.90%	95.60%
2月	104.30%	82.80%	117.00%	81.50%	89.20%	101.60%
3月

	全店売上高		店舗数
	すき家	吉野家	すき家	吉野家
9月	115.40%	99.30%	1,322店	1,142店
10月	113.60%	94.20%	1,335店	1,149店
11月	105.70%	98.10%	1,352店	1,159店
12月	119.30%	82.30%	1,366店	1,164店
1月	114.80%	92.00%	1,381店	1,176店
2月	123.10%	88.00%	1,394店	1,185店
3月