アイコン 健康食品表示問題②

市場規模の変動に影響する要因としては、一般に、食生活と健康との関係についての科学的/医学的研究調査報告(例:メタボリックシンドロームの報告)、行政施策(平成14年:健康増進法の制定、平成13年:保健機能食品制度の発足、平成17年:同制度の改正)、時機を得た新製品の導入および健康食品に係る違反製品あるいは健康被害事例の報道等が挙げられる。

その意味で、1997年(平成5年)から2005年(平成17年)における市場規模の急激な拡大は製品についての保健機能表示と関連のある行政施策および科学的/医学的報告の協同効果によると推察される。
一方、2009年(平成21年)における中性脂肪・体脂肪に関連する製品の市場規模は明らかに下降、その要因としてエコナ問題があげられる。しかし、2009年度における中性脂肪・体脂肪関連製品の市場規模は2007年度の66.4%を維持している。この事実は中性脂肪・体脂肪関連製品についてエコナ以外の製品の販売量が増加していることおよび中性脂肪・体脂肪関連製品の有用性が消費者の間にかなり浸透していることを示唆している。
乳酸菌製品(整腸)および歯の健康関連製品の市場規模は2007年度で下降傾向を示し、2009年度には明らかに下降している。
この要因として、消費者による両製品の購入が競合一般商品に移行しているためと予想され、その背景として景気の後退に伴う消費者の低価格志向、個食化による小型容量製品の選択傾向(乳酸菌製品)および嗜好の多様化(歯の健康製品)があげられる。消費者による購入が保健機能表示のない競合一般食品に移行していることは、両製品の関与成分(乳酸菌、キシリトール)の保健機能が特定保健用食品の表示、情報提供を通じて消費者に浸透しつつあることを示唆している。なお、安全性および有効性を確保するためには、両製品について通常の一般食品ではなく、規格基準型特定保健用食品のさらなる推奨、あるいは中立的な第三者による安全性/有効性認証製品の開発が必要である。
 

[ 2010年4月21日 ]
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