日本振興銀行　木村剛会長を更迭????? 赤字決算の責　内紛か

同行の取締役会は、３月期決算の責任を木村会長に求め、木村氏を更迭した。木村氏は日銀出身。02年に金融庁顧問となり竹中平蔵・元金融担当相の下、大手銀行の不良債権の抜本処理を目指す「金融再生プログラム」の策定にかかわった。
西野達也社長は「木村会長は設立の中心メンバーでもあり、赤字の責任が重い」と指摘。10日の取締役会で、木村氏退任を求める意見が出て、これを受け入れる形で退任したという。西野社長ら取締役全員について最大３割の減俸も発表した。

今回の更迭が、何を意味するのか不明な点が多い。木村氏も肩書きがなくなれば、竹中平蔵みたいにタレントになるしかなかろうが、金融界・経済界で動く範囲は狭くなる。しかしどう見ても、同行は木村氏のカリスマ性により成立している銀行であり、実務者だけで存続が可能なのか危ぶまれるところが多い。中小企業金融といっても、焦げ付いたら保証人から取り上げるSFCG方式の社員たちしか末端はおらず、信金並みの融資姿勢を持てるかは不明なところが多い。

中小企業金融はそんなに生易しいものではなく、かといって焦げ付いたら保証人から取り上げるやり方は正道ではない。SFCGへの多額な融資とその後の動きがその証明ともなろう。

同行には金融庁の検査が長い間入っていた情報もあり、恫喝を入れられ何か手を打つ必要があったのか、何か迫られていたのかもしれない。木村氏は大株主でもある。

連結/百万円	経常収益	経常利益	当期利益
09年3月期	26,265	2,922	1,392
10年3月期	33,143	-3,845	-5,135
10年3月期実績	総資産	純資産	国内基準	09/3期
	646,945	26,970	7.76%	9.63%

※
預金残：5,604億円(09年12月末、公表値)

役員一覧

取締役(社外)	小畠晴喜（取締役会議長）	作家　江上剛、元みずほ銀行築地支店長
取締役(社外)	平将明	自民党衆議員、東京JCを利用して当行を設立(設立メンバー)
取締役(社外)	赤坂俊哉	弁護士
取締役(社外)	三原淳雄	弁護士
取締役(社外)	森重榮	弁護士
取締役(社外)	花堂靖仁	早稲田ビジネススクール教授
取締役兼代表執行役社長	西野達也
取締役兼執行役	山口博之	経営管理室
執行役	香下大樹
執行役	黒川貴行
執行役	渡辺勝也

木村氏更迭は、常勤取締役は木村氏含め3人しかおらず、社外取締役によって行われたものと思われる。

＜西野達也社長略歴＞

昭和30年9月生
昭和49年福岡県立小倉商業高校卒業
昭和49年4月㈱第一勧業銀行(現㈱みずほ銀行)入行
平成16年9月㈱みずほ銀行退職
平成17年11月日本振興銀行㈱入行、マネージャー
平成18年7月同行シニアマネージャー
平成18年8月同行執行役
平成19年6月同行取締役兼上席執行役
平成20年4月同行退職
平成20年4月㈱アプレック(現中小企業信用機構㈱)代表取締役会長
平成20年5月代表取締役会長兼社長兼本社営業部長兼東京本部長兼人事部長兼内部監査部長
平成20年6月代表取締役会長兼社長兼本社営業部長兼東京本部長兼人事部長
平成20年7月代表取締役社長兼本社営業部長兼東京本部長兼人事部長
平成20年9月代表取締役社長兼審査部長
平成20年10月ビービーネット㈱社外取締役
平成20年11月中小企業信用機構㈱代表取締役社長

その後同行社長に就任

直系企業他

中小企業保証機構株式会社

中小企業信用機構株式会社

中小企業信販機構株式会社

中小企業投資機構株式会社

中小企業支援機構株式会社

中小企業管理機構株式会社

中小企業ＩＴ支援機構株式会社

佐藤食品工業

NISグループほか多数

[ 2010年5月18日 ]