2010年トライアル研究①
トライアルは、あれよあれよの間に2000億円の売上高に至っている。同社の売上高は企業買収もあるが、多くは自社出店店舗である。ディスカウンターだけに店舗開発投資金を極力小さくするため、SCの閉鎖店舗に入居するパターンが多い。こうした動きは九州において壽屋・ニコニコ堂・オサダなどの破綻スーパー跡地で成功を納めたことにある。同社の財務内容を見ると比較的借入金が少なく、また固定資産も少ない。
それでも店舗数を拡大させ、売上高を伸ばしているのは、買掛金の存在である。販売は現金、支払は買掛金の販売代金ストックにより、実現させている。そのため、金融機関や外野席からの経営方針は受け付けず、独自な経営手法を取っているといえる。
経営者で永田社長は、仕入先に対する経営発表会以外表に殆ど出さないが、社長の妹は上場のアイフリークという携帯コンテンツ会社を経営しており、経営才覚の持ち主兄妹ともいえる。
同社は「とにかく安い価格で売る」を永遠のテーマとしており、ディスカウンターのなかでも一番安い価格帯のディスカウンターである。PB商品も開発してその数も拡大、極限の安さに挑戦しているようである。1店舗当たりの年商も19億円台と同業他社より多いが、利益は極限に近い店員の配置数にしては、営業利益が乏しく、安い価格による販売にこだわっている証ともなっている。
なお、物流子会社・海外子会社を含めた社員数は2,778名、パート含12,287名(10/6月)
/百万円 | 07/3月期 | 08/3月期 | 09/3月期 | 10/3月期 |
売上高 | 130,884 | 151,428 | 173,249 | 209,654 |
営業利益 | 1,668 | 2,597 | 946 | 3,604 |
経常利益 | 1,687 | 2,566 | 1,004 | 3,690 |
当期利益 | 844 | 1,277 | 418 | 2825 |
自己資本 | 1,424 | 2,701 | 6,120 | 8,886 |
総資産 | 34,205 | 45,523 | 52,113 | 59,193 |
自己資本率 | 4.16% | 5.93% | 11.74% | 15.01% |
[ 2010年7月 5日 ]
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