アイコン 年金型生保の二重課税問題 国に対し所得税の不当利得返還請求続発へ

年金型生保支払金の二重課税に最高裁、現行の二重課税を違法の初判断。
夫の死亡に伴い、妻が生命保険金を年金として分割で受け取る場合に、 相続税と所得税の両方が課されることが所得税法で禁じられた二重課税に当たるかどうかが争われた訴訟。

長崎市の女性(49)が起こした「年金型生命保険金の二重課税問題訴訟」で、2006年11月の1審・長崎地裁は「二重課税に当たる」として違法判決、国が控訴して07年10月の2審の福岡高裁では国側の主張を認めて1審判決を破棄、女性が最高裁に上告していた。
女性の夫は、年230万円の年金を10年間に分けて受け取る特約付きの生命保険を契約。主婦は夫が死亡した02年、生命保険会社から一時金と初年分の年金を受け取った。この年金に対し、相続税に加えて所得税が課せられたため、主婦は「相続財産に所得税は課せないと規定した所得税法に反する」として国税不服審判所に不服を申し立てたが認められず、05年8月に提訴した。
6日、最高裁那須弘平裁判長は「二重課税に当たり、違法」との初判断を示し、課税は適法とした2審・福岡高裁判決を破棄、所得税の課税処分を取り消した。国側の逆転敗訴が確定した。
国側の訴訟資料では、保険金を分割で年金として受け取れるタイプの保険契約は2007年現在、最大手の日本生命だけで約210万件にのぼる。
既に遺族が年金を受け取ったケースも日本生命と住友生命の2社だけでも1万3000件超。国税当局は、42年間にわたり二重課税を続けており、所得税の返還請求を受けるのが必至である。

[ 2010年7月 6日 ]
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