アイコン 揺れるNISグループとネオラインH①

7月日本振興銀行の元代表木村が逮捕され、9月10日日本振興銀行が1870億円の債務超過により破綻。
NISグループとそのグループは、日本振興銀行と資本や融資で深い関係にあり、実際多くが子会社のような関係にあり、多くの損害を発生させている。

これまでNISグループ企業は、SFCG破綻から日本振興銀行からの資金調達が難しくなり、藤澤氏代表を務めるネオラインホールディングスの子会社フロックスから40億円借り入れていた。その借入金40億円を割当増資に充当するとして、第三者割当増資を行った。
その結果、ネオラインホールディングスが8月25日49.67%を保有してNISグループを実質子会社化した。
しかし、日本振興銀行が9月10日破綻したことにより、NISグループは9月13日、所有株や貸付金の計85億11百万円を損失引当計上すると発表した。
それでも9月15日には、新華ファイナンスや㈱ラクーンの持株をネオラインH子会社のフロックスに売却、リスクモンスターの株を購入したりして威勢がよい。

<日本振興銀行の融資先の債権をネオライン社が同行破綻により取得>
NISグループの実質親会社になったネオラインHは、日本振興銀行が融資していた債権のうち、同社が保証していた債権につき、同行が破綻した場合には保証会社のネオラインHが譲渡を受ける契約をしており、当該債務者に対して元本確定書通知書および債権譲渡通知書を順次送っていると9月13日に発表した。
<片手落ちの判決>
ところが、日本振興銀行の管財人の預金保険機構は、ネオラインHのそうした発表に驚き、東京地裁に対して、そうした通知書の送付や債権を回収してはならないと訴え、裁判所は即刻9月14日付けで、10月15日までネオラインHは通知書を出してはならないとの判決を下した。しかしながらネオラインHは、融資先から弁済を受けてはならないとの判決は出していなかった。
そのため9月15日、ネオラインHは、10月15日まで当該通知書を債務者に送付しないと発表したものの、判決文が到着した15日以前の14日までに譲渡債権目録記載の債務者に対して殆ど送付しており、通知を受け取った債務者に対して、ネオライン社に弁済金を送金するように今でも呼び掛けている。
一方、管財人の預金保険機構は、融資先の債務者に対して、弁済金はこれまでどおり、日本振興銀行に対して行うよう発表している。
片手落ちの東京地裁の判決である(貸金業界では、債権譲渡契約書は即日全部送付するのが当たり前の世界である)。

管財人の預金保険機構は10月15日までに、そうした契約に対しての反対ができるのか原契約を見ていないことから筆者は不明な点もあるが、時間的にネオラインHが保証対象の債務先かどうかの判別くらいしかできないものと思われる。
しかし、何%かの保証料も債務者が負担させられていると思われ、債務者の破綻ならば保証会社が銀行に対して保証するということにもなろうが、融資元の銀行が破綻した場合、その銀行の融資債権を保証会社が取得できるとする契約そのものが法的に有効であるのかどうかは別問題である。
当然管財人はそうした問題を本裁判にかけるとともに、10月16日以降のネオラインHからの各通知書の送付の停止を求め、またこの間、債務者がネオラインHに対して弁済してきた回収金について、仮処分申請して差し押さえてくることも考えられる。

<銀行法改定は木村を基準にした?>
竹中が愛した木村の日本振興銀行が、如何に杜撰な銀行であったのかの一面を見るようである。日本振興銀行は、腎臓売れ事件を引き起こしたSFCGに対して融資するなど、これまでの存所そこらの銀行ではなく、複雑極まりなく一筋縄では行かない。
竹中平蔵が木村の銀行設立を察知していたのか、グローバル化とか規制緩和の美名の下に銀行法を大幅に改悪、20億円の出資金さえ集めれば誰でも、人様から無尽蔵に預金を集められる銀行業務ができるようにしたことが最大の問題であった。


 

[ 2010年9月21日 ]
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