アイコン 日本振興銀行破綻にゆれる佐藤食品工業④

佐藤食品工業は、本年1月25日、日本振興銀行が持株26.58%を、日産アセットに譲渡、日本振興銀行の残りの持株もNIS系の中小企業・・機構㈱に譲渡した。今年4月28日中小企業投資機構㈱の申立てにより、取締役4 名選任の決議を目的とする臨時株主総会開催の請求を、名古屋地裁を通して受けた。いつもの役員構成における乗っ取りパターンであろうが・・・。
 

ところで、定時株主総会の6月29日に3名だけの取締役選任で何故終わったのか、不思議である。同社により6月14日定時株主総会(6月29日)の招集通知では、鈴木宗行、佐藤仁一、浅野公認会計士の3人が取締役に選任する議案が総会に諮られている。しかし、総会では緊急動議が提出され、鈴木宗行、鮎川純太、湯浅慎司に修正されるという異常が見られる。ウコン臭い株主総会である。
同社の「ガバナンス評価委員」は、そうした動きを事前に察知したのか、反旗を翻し、平成22年6月23日、ガバナンス評価委員の稲葉威雄氏、竹原相光氏、福島洋尚氏が、「資本政策の方向性等に関し見解の相違」により辞任している。
同社の6月14日~29日の間は、色々な葛藤があったことを物語っている。 

一方の株主である黒澤氏率いる中小企業投資機構は、黒澤氏が取り仕切るIFSにより買収され、3月24日中小企業信用機構も傘下に入れている。
 
同社の臨時株主総会は、10月1日開催予定で進められていたが、日本振興銀行が9月10日破綻したことから、中小企業投資機構と日中小企業信用機構は自らの台所が急激に悪化、中小企業信用機構は債務超過に陥る見通しとなった。そうしたことから4人を派遣するところではなくなっているのが実情である。
 元々、SFCGは同社を乗っ取りに動いたものの、サブプライムローン問題(07年7月表面化)から、主な借入先が外資であったため、借入金が引き揚げられ、資金が枯渇状態に陥り、佐藤食品工業に対して出資した資金の吸い上げにかかったということが実情である。佐藤食品工業の持株も日本振興銀行からの借入の担保として差し入れ、SFCG破綻直前に日本振興銀行に取り上げられたというのが実態である。
 その日本振興銀行もSFCGの破綻で実質行き詰まっていたものの、銀行であり預金者からの預金により経営されており、連鎖破綻には至らなかった。しかし金融庁の検査でボロボロ状態や不法行為が発覚、いつ破産させられるか分からない状態のなか、佐藤食品工業の株を傘下の中小企業・・機構㈱や日産アセットに売却していた。

日本振興銀行 破綻の影響
日本振興銀行絡みの上場企業
前期自己資本
所有株券・評価損
日振銀への貸付額
←合計
備考
中小企業投資機構
1,438
349
2,950
349
影響大
中小企業信用機構(旧アプレック)
691
1,853
 
1,853
債務超過

日本振興銀行も破綻、同社はこれから日産アセット鮎川氏、NISグループの藤澤氏、中小企業投資機構の黒澤明宏氏により玩ばれようとしている。(IFSパートナーズ・ファンド1号投資事業組合 業務執行組合員 中小企業投資機構㈱ 代表取締役社長 黒澤明宏が、中小企業信用機構を傘下に納めている。)

[ 2010年9月27日 ]
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