GSユアサ、ハイブリッド車用の次世代正極材料の大幅性能向上に成功
GSユアサは、安全性が高く出力特性に優れるリチウムイオン電池用正極材料「リン酸バナジウムリチウム」(※)を開発した。このリン酸バナジウムリチウムは、高い出力密度や、優れた安全性による電池システムコストの低減が期待できることから、ハイブリッド電気自動車(HEV)やアイドリングストップを含むマイクロHEV向けに当社は今後、このリン酸バナジウムリチウムを正極材料に用いたリチウムイオン電池の開発を進めていく予定。
リン酸バナジウムリチウムは、従来の正極材料と比べ、安全性の高いリチウムイオン電池用正極活物質として注目を集めているポリアニオン系正極材料の一種。これまでポリアニオン系正極材料としては、リン酸鉄リチウムの実用化が進められていたが、リン酸鉄リチウムの抵抗が高いことや、比較的製造コストが高い合成法を用いる必要があった。
当社では、次世代ポリアニオン正極材料としてリン酸バナジウムリチウムに着目して開発を進めた。このたび、従来の正極材料より比較的安価な合成法を用いてリン酸バナジウムリチウムが合成可能であり、さらに、この正極材料を用いたリチウムイオン電池で、リン酸鉄リチウムと同等の安全性を確保しつつ、それを20%上回る出力特性を得ることに成功した。
[ 2010年9月10日 ]
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