アイコン 福岡市長選本番 植木氏脱落は高島氏に有利に展開か

植木とみ子世論をコントロールするマスコミは、マスコミそのものが世の中をどうしたいのかという方針も持たないまま世論調査を繰り返し、世論をコントロールする恐怖の時代に突入している。また、そうしたマスコミの報道に翻弄され、植木氏は選挙戦本番も終盤になり、自らの不甲斐なさに選挙戦を脱落した。

世論を作り出している西日本新聞によると、吉田氏が、東区と城南区で優位に立っているという。しかし推薦を受けた民主支持層への浸透は4割にとどまり、アイランドシティこども病院移転に急に賛成に回った社民支持層の5割をまとめたとされる。

 若い36歳の高島氏は、早良区と西区でリード、なんと50代の支持率も高いという。自民支持層の3割、公明支持層の6割を固めたとされる。
 また、木下氏は民主、みんなの党支持層の1割、植木氏は自民支持層の1割を取り込んでいるとされる。商工団体事務局長の有馬精一氏(59)=共産推薦=と、元福岡市議の荒木龍昇氏(58)、塾講師の飯野健二氏(49)、元人材育成会社講師の内海昭徳氏(32)は伸び悩んでいるそうである。
今回の植木氏の脱落で、植木氏の支持層である保守票と女性票及び支援してきた若い人たちのグループ票と周辺票・山崎前市長のシンパ票が、保守系ながら若いだけに可能性に溢れた高島氏に流れ、高島氏が選挙戦を優位に進める可能性が高くなった。

西日本新聞は、有権者の4割を占める無党派層の5割(全体の20%)は、投票態度を決めておらず、その動向が一つ鍵になりそうだとしている。
世論調査が充てにならないのは、(1)電話番号帳を基に調査しているが、電話番号帳は、今では個人情報に基づき、多くの人が掲載していない。(2)調査は、質問の仕方により回答を誘導することがよくある。
そうしたことから、報道は、市長選への関心が「非常にある」「少しはある」との回答は計80.8%に上り、投票に「必ず行く」「たぶん行く」の合計は93.3%に達している。しかし、現実には、過去の福岡市長選の投票率は、1998年11月の投票率は43.49%、2002年11月選挙では32.6%、2006年11月選挙は42.57%の投票率にとどまっている。
選挙に行きもしない多くの市民に対して、アンケートをとり、選挙戦の動向までも誘導していると言ってもよい。

今回の選挙では、高島・吉田氏のどちらも組織票をバックに有利に進めていることは間違いないが、選挙の争点であるアイランドシティへのこども病院移転問題も、福岡市全体の景気悪化から、市民もそう反応していない。しかし、福岡市政の予算は限られたものであり、現行の福岡市政のように場当たり的に特定の事業に多くの予算を費やそうとすれば、他の多くの事業に予算を注ぎ込むことができなくなるのも事実である。
多くの建設会社が廃業や破綻に追い込まれている。商業も不景気風が強く吹き、商店街もシャッター通りが更に増加した。更にリーマンショックで建設業者はジリ貧に追い込まれている。しかし、そうした反面、福岡市の建設総予算はそう落ちていないのも現実である。その予算がアイランドシティの土地購入(資産計上)および開発や外環状道路建設、都市高速建設などに費やされている。計画道路はともかく、アイランドシティをどうするのか、そのままなけなしの予算を緊急性もなく注ぎ込み続けるのか、その予算を景気刺激策や市民のために使うのか、はたまた吉田市政により進められている膨大な建設予算を必要とする新地下鉄建設構想をどうするのかなど、多くのことが今回の選挙で市民は問われているのである。
また、福岡市の将来を思うならば、アジアの中の福岡構想を、具体的且つ明確に打ち出している候補かどうかも投票の基準とする必要があろう。

<植木女史の敗因は胡瓜か>
当方も、福岡に女性市長が誕生する可能性を喜んだが、博多の人(保守系議員)には胡瓜のようにまだ女性は受け付けないようだ。
確かに植木氏は教育長時代の汚点も指摘されているが、そうした問題は今回の選挙に影響は与えていない。選挙戦での戦い方の失敗である。女性好きな財界からチヤホヤされ調子に乗りすぎたのであろう。
植木氏は、マスコミを利用した戦術に全く欠けていた。知名度というものはマスコミが演出するものであり、他の立候補予定者が名乗りを挙げるまで、正式立候補予定を封印してしまったことに戦略の失敗がある。(知名度を有していると錯覚して自画自賛していたならば別であるが・・・)
植木女史は今春まで福岡市総合図書館長を務めていた。退任した時点で市長選への立候補を明確に打ち出さなかったことが最大の敗因がある。その間、保守系党や会派に対して支援要請していたのだろうが、胡瓜のように扱われ、推薦を受けられなかった。長年、福岡市の行政にも携わりながら、なんと根回しが下手な人であろうか。財界の親分あたりを突破口にあの手この手で保守系派は落とせたはずである。立候補表明した時には、既に福岡市議会の保守系党派は、植木氏の推薦はなしで確定していた。
立候補表明後は、こども病院アイランドシティ移設問題による女性票もまとめられず、マスコミ登場も限られ、そうした間に保守派は高島氏の一本化に成功、マスコミが高島氏一色になり、ますます窮地に立たせられた。
結果、こうした状況から、世論調査にも打ちのめされ、戦意喪失してしまった植木とみ子女史である。

市債残2兆6千億円。これほどまでになれば借金も財産という博多人もいないだろう。

[ 2010年11月10日 ]
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