アイコン 高島宗一郎新福岡市長への期待としこり

今回の福岡市長選は、民主党支援の吉田前市長と高島新市長との間に対立軸は元々なかった。そこに波風を起こさせたのは高島候補であった。今回も選挙の争点となったこども病院のアイランドシティ移転問題において、選挙戦本番も中盤に差し掛かり、高島候補が移転推進派から一転して急遽再検討派へ衣替えした。
その直前、西日本新聞社がアンケート調査を基に、選挙中盤戦を解説していたが、それによると早良区と西区で高島氏がリードと報じていた。特に50歳代に支持されていると。高島氏はその報道から、若い選挙民にも圧倒的に浸透させたい思いが生じたものと思われる。そのキーが再検討であったと思われる。

これまでの吉田市政は、こども病院のアイランドシティ移転の再検討派(選挙民は白紙と捉えた)から転向して、開発好きの市議会の保守陣営と一緒になって、こども病院のアイランドシティ移転を打ち上げた。それに反発した市民が18万人分もの署名を集め、吉田市政に移転反対の請願をした。しかし、吉田市政は請願者たちを袖(ソデ)にしてしまった。そうしたことから、吉田市長は、自身に不信感を持つ人たちを多く存在させてしまった。そもそも住民運動をする人たちは、それなりに選挙でも動き回る人が多い。特にこども病院移転反対は、多くの女性たちが署名活動している。そうしたことからも今回の吉田市長が立候補したこと事態、自滅型選挙であったと言っても過言ではなかろう。福岡市の女性を侮ってはならない。学校や幼稚園・保育園でコミュニケーションの大きな輪をもっており、これまでにも国会議員大物の山崎拓さん(女遊好き報道事件)や太田さん(強姦事件で早大生は元気がよい発言事件)を落っことしてきた実力の持ち主たちである。住民運動を袖にするような吉田氏を支援する民主党・国民新党・社民党・ネットワークふくおか(グリーンコープの政治団体なんか許さん)に対して彼女らは失望していた。連合のなかでも民間企業組合組織であるゼンセン同盟が吉田支援を見送ったほどでもある。

そうした女性たちの受け皿になったのが高島氏が圧勝した。しかし、高島市政では、アイランドシティへのこども病院移転問題で、吉田市政のように再検討した結果アイランドシティに移転しますでは、高島氏に投票した多くの有権者、特に西区の住民が怒ることは間違いない。また、高島氏は、高島氏の支援母体の市議会自民党や保守会派・公明党議員たちとの間にも移転再検討公約でしこりを残すことになった。それに加え、移転推進の番外の民主党議員などもいる。
高島市政は、こうしたことから、市の財政難に加え、当初から大変な難局が予想されるが、高島氏は若いことだけがトリエ、その若さで自らの政治信念を貫いてもらいたい。福岡市の実力者と呼ばれる議員たちの殆どがタカリの議員たちであり、権謀術だけに長け、適いっこない。高島市長には、そうした重鎮たちに流されず、福岡市議会政権与党の市長として、彼らを適当にあしらいながら市政を運営してもらいたいものである。
これまでの高島氏は、権謀術にも優れ過ぎているようでもある。今時、そうした忍術は流行らず、自らの信念で市議会に立ち向かうことを祈りたい。また、もっともっと大きなテーマである「アジア一の福岡」に執念を燃やし邁進してもらいたいのである。それには、今の自民党をリードする若手議員と手を結び、胸に秘めた東南アジアに向けた福岡市政の戦略を実行してもらいたい。高島新市政に対してそう願う。

 

 

[ 2010年11月16日 ]
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