北九州の輝星「井筒屋」/第3四半期 今期は久々の利益計上へ
同社は、百貨店業界は、10月に全国百貨店売上高が2年8ヶ月ぶりに前年実績を上回るなど、一部回復の兆しは見えましたが、雇用情勢や所得水準の厳しさは、消費者の生活防衛意識を強くし、買い控え傾向は依然として続いている。
このような状況の下、より一層厳しさが予測される各店舗の競合状況の変化をふまえ、売上高の減少が続いても、安定的に利益が計上できる収益構造に経営体質を転換し、効率的な百貨店モデルの構築をめざした「井筒屋グループ中期3カ年経営計画」を策定、推進している。
同社は、品揃えの強化を進めるとともに、販売サービスの向上をはかり、ライフスタイルや商環境の変化への対応力強化に取り組んでいる。
本店では、創業75周年を記念して開店月である10月に「大創業祭」を開催、記念商材の販売やプレミアム商品券の発行など多彩な企画で地域のお客様から多くの支持をいただいた。また、恒例の人気催事「大京都展」などとあわせ、当月においては売上高が前年実績を上回ることが出来た。
コレット(旧そごう跡)は、主力客層と位置付ける20歳代の女性をターゲットにした婦人服売場「ココガールズ」を9月にオープンさせ、九州初、北九州初のブランドを集積し、話題性と集客力の強化を図るとともに、本店との商品の棲み分けを推進した。
山口店は、商圏内唯一の百貨店として、今まで以上に地元に目を向けた品揃えや集客戦略をはかっている。集客力向上策としては、昨年6月より始めた「食品土日祭」が定着するなど、近隣商圏からの来店頻度の向上と顧客の固定化に引き続き努めている。
また、グループ全体においても、顧客基盤の強化をはかるため、ハウスカードであるウィズカードの会員獲得を強力に推進するとともに、分割払いにもポイントを付与する新しいサービスを展開するなど、お客様の満足向上に努めている。
同社は減収ながらリストラで利益を計上できたことはすばらしいが、今後はコレット次第となろう。魅力がなければ、福岡市では3月より博多阪急と東急ハンズを含む新生博多駅がオープン、秋には第2キャナルにH&Mもやってくる。今年こそ真かが問われる1年になりそうだ。その対策は如何に。
連結/百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
10年2月期第3四半期 | 70,774 | -124 | -375 | -2,483 |
11年2月期第3四半期 | 65,290 | 1,938 | 1,453 | 1,375 |
前期第3四半期比 | 92.3% | |||
11年2月期通期予想 | 90,000 | 3,000 | 2,300 | 2,000 |
10年2月期実績 | 96,709 | 724 | 277 | -3,308 |
通期予想/前期比 | 93.1% | 414.4% | 830.3% |
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/