マルハニチロホールディングス/第3四半期 魚不況のなか落ち込み小
長引く不況により消費者の財布の紐が固く、外食産業の経営が苦しく、高級魚を中心に魚も売れないとされている。この間、漁業者は燃料高による経営難や餌高の養殖業者も厳しい。しかし、同社を見ると売上高や営業利益は極端には減じていない。
内容別には次のとおり、
同社の水産事業は、スケトウダラは漁獲割当減ながら販価上昇で増収、エビ・カニ・タコ・イカやマグロ市況も回復中。荷受事業は全般的に単価上昇、市場悪で売上伸びず、養殖魚は業者の浜値上昇で不振。販売事業は、外食産業や量販店への販売が仕入単価上昇のなか値上げが通らず苦戦。その結果、売上高4,071億23百万円、前年同期比0.4%増、営業利益は87億96百万円、同462.4%増となった。
食品事業は、冷凍加工食品からドッグフードまで生産しているが、冷凍加工食品は一部原料高により工場操業度が低下、ハムソーセージも原料高で販売不振、化成品のフリーズドライ製品は好調、加工食品のギフト用が不振。
以上、不振が目立つ。売上高は2,149億80百万円、同1.3%増、営業利益は95億35百万円、同▲12.4%減となっている。
同社の内容は、水産事業と食品事業が同じサイクルでは動いておらず、そうしたことが、売上高の急落を支えているものと思われる。
連結/百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
10年3月期第3四半期 | 638,224 | 10,963 | 8,622 | 4,301 |
11年3月期第3四半期 | 640,348 | 17,037 | 14,963 | 6,962 |
前第3四半期比 | 100.3% | 155.4% | 173.5% | 161.9% |
11年3月期通期予想 | 850,000 | 18,000 | 14,000 | 4,500 |
10年3月期実績 | 828,715 | 10,763 | 7,751 | 1,586 |
09年3月期実績 | 897,452 | 15,537 | 8,081 | -6,282 |
08年3月期実績 | 844,781 | 13,002 | 7,316 | 60 |
通期予想/前期比 | 102.6% | 167.2% | 180.6% | 283.7% |
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