アイコン 原弘産/見事に債務超過をクリアーへ

同社の再建は絵に書いたような再建劇である。
同社は、多くの資産を損切り売却して銀行借入を減少させ、所有不動産の評価減や引当金にも耐え、一方で社債償還におけるディスカウント返済を敢行して多くの償還特別利益を計上、再建劇最後の今期は債務超過からも開放されるものとなった。
1月14日に発表された2月期の第3四半期の決算は次の通りであった。

連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年2月期第3四半期
9,882
-4,274
-4,912
-8,032
11年2月期第3四半期
5,546
-203
-440
3,557
11年2月期通期予想
10,800
165
-175
6,000
11年2月期第3四半期
総資産
純資産
自己資本
自己資本率
 
15,109
-1,886
-1,887
-12.5%

その後、2月22日、㈲ブルーデージーからの借入金31億75百万円について、担保提供物件を処分して一部弁済、残る借入金14億75百万円は同社から債務免除を受けた。当然債務免除利益として特別利益として計上される。
2月25日、今度は原弘産に対して債権を有する債権者が㈱JSPに債権譲渡、原弘産は㈱JSPに対して、原弘産が所有する㈱ポエムホールディングスへの債権17億59百万円を譲渡することで決着した。原弘産は、㈱ポエムホールディングスへの債権17億59百万円を引当金計上しており、当該の引当金を取り崩すことにより、17億59百万円の特別利益が生じることになった。
2月22日14億75百万円、2月25日17億59百万円の計32億34百万円が特別利益として新たに計上される。
1月14日時点では、まだ▲18億87百万円の債務超過に陥っているが、この処理だけで、債務超過は解消され、14億円あまりの自己資本と計算上はなる。

同社は、まだ2月22日分と25日分の特別利益の発生について、現在精査中として今期決算予想を明らかにしていない。しかし、1月14日における当期予想では、11月の第3四半期35億57百万円の当期利益が、2月の本決算では60億円になるとされており、その差額約25億円あまりが、これまで判明していなかった。もしも今回の2つの案件が計画外だとしたら、利益はもっと大きくなるが・・・。

ところで、㈱ポエムホールディングスはアパマンショップの大株主で知られている。そうした会社への債権を全額引当金計上していたとはなんだか臭う。もっと調べればポエムホールディングスは、アパマンショップの大村代表の資産管理会社で知られている。
同社とアパマンは、アパマンの看板以上の付き合いが以前からある。しかも当債権については、原(前)代表が取締役会の決議を得ず実行したとして、会社(前代表の息子氏が代表)から訴えられている案件でもある。(これで原前代表に対する民事訴訟は終結することになる)
ところで原弘産は、㈱JSPに対して債権譲渡した会社名を明らかにしていない、謎めいた中で、アパマンとの関係で臭うのは記者だけであろうか。
某社が原弘産に対する債権をJSPに譲渡、原弘産はJSPに対し、原弘産が持つポエムホールディングスに対する債権を譲渡して決着させた。

原弘産は、JSPに対し債権譲渡したポエムホールディングスの債権内容は、直接債権額+未収利息及び遅延損害金も含んでいるとわざわざ記載している。当然、代表である息子氏の親父思いの記載なのであろう。

今回の決着でアパマンの大村さんも少し肩の荷が下りたと思われる。今度は大村さんとJSPの関係が逆に気になるところである。またまた盛和塾つながりであろうか?
大村さんは、色白の大きな体であるが、その照かり(=漲り)は少し戻っただろうか(彼もまた地獄を見たと思われる)。

<原弘産の財務内容推移>
連結/百万円
07/2月期
08/2月期
09/2月期
10/2月期
11/2期   第3四半期
経常利益
1,959
83
-9,134
-10,161
-440
総資産
69,745
68,128
43,078
20,052
15,109
純資産
14,768
14,656
4,602
-5,569
-1,886
借入残
19,371
30,075
23,770
15,769
13,755
社債残
6,690
11,650
11,650
5,000
229
[ 2011年2月28日 ]
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