アイコン 全国の原発停止で半導体業界は、日本を逃げ出す

半導体工場昨年12月8日午前5時21分頃、中部電力が三重県北部を中心に供給する電力の電圧が、瞬間的(0.07秒程度)に低下した。東芝は9日、主力製品の超LSIのNAND型フラッシュメモリーを生産する四日市工場(四日市市)が、8日早朝に発生した瞬間的な停電により操業停止に追い込まれた。
 10日には通常操業に復旧する見込みとしているが、2011年1月から2月にかけてNAND型フラッシュメモリーの出荷量が、計画に対して最大2割落ち込む可能性がある。
東芝によると、この電力供給トラブルに伴い四日市工場の一部の装置が停止。現在も復旧作業が続いているが、9日午前の段階で7割程度が復旧しているという。損害額の見通しについては「現時点では回答できない」とした。

無塵室であるクリーンルームで製造されるLSI(集積回路)は、クリーンルームの空調機が停止したとのことにより、クリーンルーム内が汚染されたと看做され、ルーム内の空気の入れ替えや空調装置全体の清掃及び半製品などの入れ替え作業が必要になる。クリーンルーム内の環境が保証出来ないとその期間に製造された製品の保証ができず出荷出来ない。

つまり、自前の発電所を持たない限り、計画停電下での付加価値のある超LSI生産は難しいことになる。
 すでに、日立や東芝は今後の生産計画を見直すとしており、工場の海外への移転等も含め検討され始めている。
(中国は、日本製の集積回路の依存度が高く、既に20~30%値上がりしているという)

一方、日本の原子力発電は、総発電量の30%を占めている。今回の福島原発事故で、他の電力会社の原発で、定期検査に入っていた基の再稼動が見送られている。今後も順次定期検査に入る原発も検査後の稼動が遅れれば、全国で計画停電が実施される可能性もある。

因みにICアイランドと評される九州では、九州電力の玄海・川内原発で全体の発電量の41%を賄っている。九州電力は、玄海原発2号基・3号基(プルサーマル)が定期検査を終えたものの、再稼動を見送っている。5月には川内原発3号基が検査に入り、検査を終えても再稼動しなければ、電力需要が増す夏場には計画停電の必要性を迫られるという。
ソニーは九州に4つの集積回路工場を持ち、京セラ・パナソニック・富士通・東芝なども生産工場を持つ。

既存の原発が長期間見直しなどされたら、集積回路を生産する工場は、地震の少ない、電力が安定した国に移転する必要に迫られる可能性も現実化する。
こうしたことから、地震国日本の原発は津波対策や耐震強度及び最悪時の手動冷却システムの構築など非常時対策の早期見直しは当然のこととして、稼動させなければ日本経済が沈没する。

 

[ 2011年3月29日 ]
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