アイコン これは天災ではない/福島県前知事 佐藤栄佐市

・福島県知事在職中に、国の原子力政策に疑問を投げかけていた佐藤栄佐久氏(71)に、
 東京電力福島第1原子力発電所の事故について聞いた。佐藤氏は「深刻な事態は国の
 原子力政策が招いたもので、天災によるものではない」と強調した。

--未曽有の事故に、東京電力は「想定外の事態」と繰り返した。
◆私でさえ安全と思っていた。経済産業省は「二重三重のチェックをしている」「自然災害による
 事故も絶対あり得ない」と言っていた。国がそれだけ言えば、地域社会が信用するのは当然だった。
--88~06年の知事在任時、福島第1、第2原発で事故やトラブル隠しが発覚。安全管理に疑問を唱えていた。
◆原子力政策は、国会議員や福島のような立地県もタッチできない。政策の基本を定める長期計画策定会議の
 メンバーの大半は電力関係者の「味方」。政策を実際につくるのは経産省の官僚だ。彼らにとって、良いのか
 悪いのかは別問題で、一度方針を決めると後戻りしない体質だ。
--原子力安全・保安院の経産省からの分離が検討されている。
◆分離しないといけない。02~06年に原発トラブルなどに絡んだ内部告発が、県に21通も寄せられた。
 保安院に情報提供しても対応もせずに東電へ情報が流されると、告発者は恐れていた。原発の運転を
 前提に安全面をチェックしろと指示してきたと指摘されるのも、保安院が経産省の一組織だからだ。
--第1原発敷地内からは、微量のプルトニウムも検出された。
◆3号機で使用中のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料から出た可能性もある。プルサーマルは、
 専門家から安全性に懸念の声もあったが、国は推進してきた。
--多くの住民が原発関連の仕事に従事してきた現実もある。
◆原発のない町に帰っても働く場もないという問題は確かにある。ただ、第1原発がある双葉町を
 見てほしい。原発ができて永久に栄えると思っていたが、すぐに2機増設してほしいという話が出た。
 財政上の優遇もあったが、09年には自主的な財政運営が制限される「早期健全化団体」に転落した。
 原発立地の損得を、冷静に考えるべきだと思う。(抜粋)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110404-00000036-mai-pol 
 

[ 2011年4月 4日 ]
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