アイコン 長崎市民病院の落札に新たな疑惑浮上か?(1)

投稿者=新長崎オンブズマン

長崎市民病院の新築は、長崎オンブズマンが、高価格での落札、入札から落札に至る経過資料の開示要求を突っぱねた市当局の秘密主義に対して、訴訟を提起している。
長崎市民病院の落札過程を、再度振り返ってみよう。
入札の説明資料は、平成21年12月1日のHPにも掲載されているが、当資料に基づき入札に応札したスーパーゼネコングループは、官製談合が最も行われやすいとされる総合評価制度の下、建物の設計から運営までの見積もり及び諸審査事案に対する対応を記載して各社は応札した。

当然、建設事業で毎期1兆円以上を売上計上しているスーパーゼネコンであり、こうした入札案件でも、特に問題もなく応札した。スーパーゼネコン各社は、デザイン・設計部隊を抱えており、また問う入札におけるグループ社として大手設計会社もいる。各グループは建物デザインについても長崎の旧市街にマッチした建物デザインを各社描き、またグループも組成して応札していた。
http://www.nmh.jp/wp-content/themes/theme_bureau/images/setumeisyo1.pdf - search='長崎市民病院 入札'

長崎市民病院は、民間資金を活用して建設から運営まで行う特定目的会社(SPC)によるPFI事業として、入札に付されている。
(「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法。民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、PFI手法で実施するものである。)

入札に参加にしたのは、スーパーゼネコンの4社であった。
大成建設グループ
九電工(鹿島建設)グループ
清水建設グループ
大林組グループ
の4社による応札であった。

長崎市新市立病院整備運営事業PFI審査会委員
審査に当ったのは、
1、学識経験者等委員:◎前田博(弁護士)、岩﨑榮(NPO法人卒後臨床研修評価機構専務理事)、河口豊(広島国際大学名誉教授)、永田泉(長崎大学病院副病院長)、林一馬(長崎総合科学大学環境・建築学部教授)、松元定次(長崎市医師会理事)
2、市側委員:○楠本征夫(病院事業管理者)、鈴木伸(市民病院院長)、田浦幸一(成人病センター院長)、野田哲男(企画財政部長)、三藤義文(総務部長)、御所健剛(建築住宅部長)の12名であった。こうした人たちが、大成グループを決定した。

平成22年8月2日に行われた委員会は、次の通り点数化をはかり、大成グループに決定した。 

グループ名
内容評価点
価格点と価格
総合評価点
大成建設グループ
343.75
458.35
(164億円)
802.10
九電工(鹿島)グループ
368.75
398.20
(180億円)
766.95
清水建設グループ
206.25
500.00
(150億円)
706.25
大林組グループ
200.00
472.42
()
672.42
大成グループは、肝心の価格は3番目、内容点は2番目、総合点では唯一800点台であった。

<落札者>
代表:大成建設株式会社
(協力企業) :㈱久米設計、㈱松林建築設計事務所、㈱池田設計、㈱西海建設、㈱三基、㈱松栄設備、錦建設工業㈱、大成サービス㈱、㈱クリーン・マット、㈱城保安警備、㈱光洋、㈱パースジャパン
落札価格:16,419,782,994円(消費税等除く)

 内容評価点につき、全国でこうした入札や落札を繰り返しているスーパーゼネコン各社が、当局の要求水準書に基づき作成した提案書、こんなに点数の開きが生じるとはとても信じられないのは、筆者だけであろうか。

監獄のようだと評判の長崎の旧市街地に最もふさわしいとされる新病院のデザイン?
 

長崎新市立病院

疑問点: 内容評価については、こうした学識経験者と市の関係者が半々で構成された委員会で点数化されている。こうした委員会では、会長や副会長がいるものの、議事を進行するのは役所の人間。当然、役所が、学識経験者の6名をリードして議事が進行する。
一方、価格面は、提出された各社の見積書が、当日の開札日時まで、第3者機関に送付させ、そのまま厳重に保管されていれば疑いようもないが、市当局は、見積書を、入札担当部署に送付させていた。それも入札日以前に送付させていた。何かを企む市の関係者が、各社の見積価格を事前に見なかったという保証はどこにもないのである。

なお、表題の問題はシリーズ4回目に記載する。

 

[ 2011年8月17日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサードリンク

※Google・Yahoo japan!・Twitter・ライブドア・はてな・OpenID でログインできます。

コメントする

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
Google サイト内検索