アイコン 天下の松尾建設(株)/決算を追う(1)財務改善

佐賀を、九州を代表するゼネコン松尾建設株式会社。屋号の松尾姓は、松尾建設のほかに佐賀銀行の頭取、泣く子も黙る九電会長も松尾姓である。遠い昔一族であったのか、現在も一族なのか知らないが、松尾建設も佐賀銀行も佐賀県を代表する企業に変わりはない。 
また、同社は佐賀空港だって松尾空港と揶揄されるくらい佐賀県では圧倒的な実力を有しているゼネコンである。

バブル当時、多くのゼネコン同様、同社も不動産開発に勤しんだ。しかし、バブル崩壊とともに不良資産を抱え込んでしまった。金融機関の不良債権処理時には、とんでもない風評が広がり、松尾建設が危ない、・・れたら、佐賀銀行が危ないという情報が流され、佐賀銀行の取立て騒ぎに発展した事件も記憶に残る。佐賀県人にとって佐賀銀行より松尾建設が大きいと認識されるほど大きな存在である。そうした同社の経営悪化に対し、同社は不良資産の売却を進め、リストラも敢行した。その後ファンドバブルが生じて持ちこたえ、リーマン・ショックを経過するも息を完全に吹き返している。
その過程では、九州ゼネコンとして両雄であった大分の佐藤組(現、さとうベネック)の経営破綻もあり、大手ゼネコンも生き残りをかけ、九州の官庁工事を取り捲ることから、九州における総体的な地位が低くなっていることは歪めない。

同社の復活は次回に記載するが、官庁工事も九州新幹線西九州ルートの工事が、既に始まっており、佐賀県の№1ゼネコンとして、地の利を生かし、現在工事中のトンネル工事外にも、多くの新幹線工事の受注が約束されたようなものである。
経営面も前期までに予想以上に財務改善をはかり、また受注も好転してきている。そうしたことから、昭和54年から長期にわたり代表取締役を務めてきた松尾幹夫会長や元建設省九州局長の川井優代表取締役副社長が、今6月退任した。代表取締役は松尾哲吾社長1人となり、主な子会社の4社の社長も含め、完全に哲吾社長体制となった。

つづく

松尾建設社長 

松尾建設㈱代表取締役社長の略歴
代表取締役社長
平成9年1月
当社入社
松  尾  哲  吾
平成17年4月
当社建築営業本部副本部長
昭和47年1月元旦生
平成17年6月
当社常務取締役建築営業本部副本部長
(39歳)
平成18年6月
当社代表取締役社長(現任)
 
松尾工業㈱取締役相談役(現任)
 
翠興産㈱取締役相談役(現任)
 
㈱インフォメディア取締役相談役
 
㈱オフィスブレイン取締役相談役
 
平成20年6月
㈱マベック取締役相談役(現任)
 
㈱ワーク取締役相談役(現任)
 
平成23年6月
松尾商事㈱代表取締役社長(現任)
 
松尾リアルエステート㈱代表取締役社長(現任)
 
㈱マツオヒューマンネットワーク取締役相談役(現任)
 
㈱インフォメディア代表取締役社長(現任)
 
㈱オフィスブレイン代表取締役社長(現任)
 
主な株主 平成23年3月31日現在
氏名又は名称
所有株式数
割合%
松尾商事(株)
1,356
27.13
松尾哲吾
710
14.21
松尾善子
541
10.82
松尾幹夫
215
4.31
松尾大輔
206
4.12
 美佐子
150
3.00
大宅一弘
116
2.33
 
101
2.03
学校法人松尾学園
100
2.00
松尾大二郎
96
1.93
3,596
71.92
[ 2011年8月22日 ]
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