アイコン 外食産業の市場調査結果発表 国内14分野128業種/富士経済

 富士経済は、2011年4月~7月にかけて実施した国内14分野128業種の外食市場の調査結果から日本の外食市場全体を総括・分析した。

<調査結果の概要>
◆外食産業市場
2011年見込:31兆8,547億円  前年比:97.6%(▲2.4%)
 2010年実績:32兆6,360億円  前年比:99.1%(▲0.9%)

2010年の外食市場は、前年比▲0.9%減の32兆6,360億円となり、3年連続で縮小した。
2008年の秋に発生したリーマンショックを発端とする世界同時不況の影響を受け2009年は前年比▲1.7%減と大きく市場が縮小したが、2010年はマイナス幅が1%近く改善した。

全14分野のうちプラスとなったのは、ファストフードとテイクアウトの2分野であり、特に牛丼店や立ち食いセルフ式そば・うどん店の出店ラッシュにより、ファストフード市場が盛り上がった。
2011年は、前年比2.4%減の31兆8,547億円となる見込みである。東日本大震災により、営業時間の短縮や食材の調達難によるメニューの絞り込みなどの影響を受けた。また、消費者の節約志向の高まりによる需要の落ち込みだけでなく、低価格の業種へ需要が集中し、例年以上に市場が縮小すると見込まれる。
 
全14分野のうち、ファストフードのみプラスが見込まれる。ファストフードは低価格の業種が多いことから、需要を獲得している。特にハンバーガー店や牛丼店、立ち食いセルフ式そば・うどん店などが市場を牽引すると見られる。しかし、2010年は前年比3.2%増であった成長率が2011年は同1.1%増が見込まれるなど伸び率の低下は免れない。

この他、専門料理店、料飲店では、客単価の高さから苦戦しているが、サイドメニュービュッフェやオーダーバイキングの食べ放題、均一価格型居酒屋など、お得感を訴求したメニューや業態の開発により、市場の拡大が見込まれる業種や、市場は縮小しているもののマイナス緩和が期待される業種も見られる。
 
外食市場のマイナスは続くものの、2012年には震災の影響も落ち着き、市場縮小の緩和が予測される。

◆東日本大震災の影響
 震災直後から4月末頃まで被災した店舗の閉鎖や、計画停電などによる店舗営業時間の短縮、食材の調達難によるメニューの絞り込みなどが行われた。
ゴールデンウィーク以降は被災地を除いて通常営業に戻った店舗も多く、需要も震災前の水準まで回復が見られるなど、中長期的には震災の影響は限定的であるといえる。
 しかし、客単価の高い料飲店や節約志向の高まりによる旅行をはじめとするレジャーの敬遠から、交通機関、レジャー施設、宿泊宴会場などは例年以上に市場が落ち込むと見込まれる。

◆成長市場トップ10(2011年見込)
 128業種のうち、2011年の市場規模が2010年より拡大すると見込まれるのは、全体の3割にも満たない36業種である。震災の影響により、市場縮小が見込まれる業種が例年より多い。
 成長率が、最も高い市場はサンドイッチ店であり、トップシェアの「サブウェイ」が新規出店を加速しており、市場が拡大している。
2位は均一価格型居酒屋である。低価格を訴求する居酒屋として、節約志向が追い風となると見られ、年々成長率は鈍化しつつあるもののしばらくは市場の拡大が続くと見られる。
3位は病者・高齢者食宅配であり、参入企業の工場新設や出店攻勢により、2005年以降最大の伸びを記録すると見られる。外食産業全体が縮小している中で、高齢化により需要増が見込め、市場の伸びが期待される有望市場の一つである。
4位はステーキ・ハンバーグFRである。メインディッシュを注文するとサラダ、ライス、カレー、スープ等のビュッフェセットがついてくるメニューが人気を博しており、お得感を訴求することで需要を獲得している。

成長市場には、サンドイッチ店やとんかつ・かつ丼店のように、トップ企業の新規出店や既存店の売上げ増加により市場拡大が見込まれるもの、均一価格型居酒屋やステーキ・ハンバーグFRのように、安さやお得感を訴求することで需要を取り込み市場拡大が見込まれるもの、病者・高齢者食宅配、有料老人ホームのように、高齢化によって需要が増加し市場拡大が見込まれるものなどが見られる。

◆成長チェーン
 2010年の売上高が20億円以上のチェーンを対象として、2011年の売上高の伸び率が最も高いと見込まれるチェーンは、すかいらーくが展開するステーキ・ハンバークFR(成長市場4位)の「ステーキガスト」である。
2010年3月の初出店以降、同年で32店舗を出店した。2011年には他業種からの転換を中心に年間100店舗以上の出店を計画しており、売上げも急拡大する見込みである。
2位は、ワタミタクショクが展開する病者・高齢者食宅配(成長市場3位)である。新規エリアの進出により宅配エリアを拡大しており、売上げを伸ばしている。
3位は、サンドイッチ店(成長市場1位)の「サブウェイ」であり、野菜を訴求した新規店舗の出店を加速しており、市場拡大を牽引している。
4位は、均一価格型居酒屋(成長市場2位)の「えこひいき」である。「甘太郎」からのシフトを中心に、早期の100店舗体制を目標としている。
 成長チェーン上位には、成長市場の上位にランクインする業種に参入する企業が多い。

◆海外展開
 日本の外食産業は、長引く不況や競争激化による低下価格化の進展などから、市場縮小が続いている。そのため、アジアを中心とした海外進出に活路を見出そうとする動きが活発になっている。
 多店舗化を前提として、現地のニーズを伺いながら出店を進めている企業が多い。また、現地の外食企業との業務提携や合弁会社設立、フランチャイズ契約など、出店の方法が多様化している。

 パチンコ産業の市場規模は21兆円といわれており、やはり大き過ぎる。前原・溝上(庁官)とマルハンの関係。
 

[ 2011年9月30日 ]
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