アイコン 蓄電池市場はリチウムイオン蓄電池拡大へ/IDC Japan

IDC Japan、2011年上半期の国内自動車駆動用蓄電池市場動向の調査結果を発表

2011年上半期の国内市場規模は、前年同期比成長率 44.9%、399億円
2011年通年の国内市場規模は、前年比成長率54.6%、943億円と予測
2012年は自動車駆動用としてのリチウムイオン蓄電池の採用がさらに進み市場牽引
2010年~2015年の年間平均成長率は34.6%、2015年市場規模は2,692億円と予測

 IT専門調査会社のIDC Japanが、国内自動車駆動用蓄電池市場動向を発表した。
これによると2011年上半期(1~6月)の国内自動車駆動用蓄電池市場は、前年同期に比べ44.9%増加し、399億円となった。また、出荷容量は38.2%増加し、648MWh(メガワット時)。

 蓄電池の種類別では、ニッケル水素蓄電池が前年同期に比べ14.3%減少し220億円。
これに対し、リチウムイオン蓄電池は前年同期に比べ849.4%増加し179億円。

これまでの自動車駆動用蓄電池市場の成長を支えてきたニッケル水素蓄電池の需要が、東日本大震災によるHV(ハイブリッド自動車)の生産低迷の影響を受けて減少、一方、2010年末に発売されたEV(電気自動車)の生産が本格化、リチウムイオン蓄電池の需要を大きく引き上げたことにより、全体として2011年上半期の国内自動車駆動用蓄電池市場の規模は拡大した。

 ベンダー別シェアでは、
首位は、プライムアースEVエナジーが市場シェアの高いHV向けニッケル水素蓄電池の需要に支えられた。
2位はオートモーティブエナジーサプライ
3位はパナソニック(三洋電機を含む)。

 2011年下半期(7~12月)の国内自動車駆動用蓄電池市場は、上半期に引き続きリチウムイオン蓄電池需要の拡大を反映して前年同期比で65.2%の増加、市場規模544億円、出荷容量ベースでは前年同期比で53.1%増加して896MWhと予測。

蓄電池の種類別では、ニッケル水素蓄電池が前期に引き続き震災の影響を受け前年同期比8.1%減の273億円、リチウムイオン蓄電池は、前年同期比633.2%増の270億円と予測。
これにより、2011年通年では前年に比べ金額ベースで54.6%増加し943億円、容量ベースで46.5%増加し1,544MWhと予測している。

2012年には自動車メーカー各社から新たなEV(電気自動車)およびPHV(プラグインハイブリッド自動車)の市場投入が予定されており、それらに採用されるリチウムイオン蓄電池が市場全体をけん引するとみている。また、HV向けニッケル水素蓄電池の需要回復も見込まれる。
今後の国内自動車駆動用蓄電池市場は、リチウムイオン蓄電池の単価下落が金額ベースでの成長抑制要因となるが、2010年~2015年は年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)34.6%で成長し、2015年に2,692億円に達すると予測する。

 IDC Japanは「自動車駆動用蓄電池は搭載車両の商品性を左右する最も重要な構成部品の一つであるが、性能、コストなどの面で多くの改善の余地を残している。今後新たな技術的ブレークスルーの実現によりベンダー勢力図が一変する可能性がある」としている。

[ 2012年1月17日 ]
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