アイコン マンションのひび割れ責任は  最高裁の差戻審判決 福岡高裁  物件別府市

購入したマンションにひび割れなどの欠陥があったとして大分県の男性が、豊後高田市の施工業者などに損害賠償を求めた裁判で、福岡高等裁判所は「放置すれ ばひび割れが進むおそれがあり、欠陥にあたる」として業者などにおよそ3800万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。

この裁判は、別府市でマンションを購入した44歳の男性が、廊下や壁にひび割れなどがあったとして、施工業者や設計会社に対しおよそ3億5000万円の支払いを求めたもので、住宅にどのような欠陥があれば施工業者などが賠償責任を負うかが争われた裁判。

1審は男性の訴えを一部認めたのに対し、2審はこれを退けたが、去年7月、最高裁が「建物が現実的に危険な状態でなくても、欠陥を放置すれば住民に危険が及ぶ場合は施工業者や設計者に賠償責任がある」という初めての判断を示し、審理を福岡高裁に差し戻した。

1月10日の判決では、福岡高裁の古賀寛裁判長は、最高裁の判断に基づいて「バルコニーの手すりのぐらつきは放置すればひび割れが進むと認められ、基本的な安全性を損なう欠陥にあたり、業者が施工上の注意義務を怠ったのが原因だ」と指摘した。
  その一方、廊下や壁のひび割れなどについては「業者側のどのような過失で欠陥が生じたかについては、原告が証明する必要があるのに立証が十分ではない」として欠陥の認定を一部にとどめ業者などにあわせておよそ3,800万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。

判決について原告側の幸田雅弘弁護士は、「最高裁の判断に基づいて欠陥を認めた部分では前進と捉えることもできる。しかし、どう危険なのかを原告が具体的に証明する必要があるとした点は立証のハードルが上がっていて非常に不満だ。各地の同じような裁判で原告に不利な影響が生じることを心配している」と話している。


  ひび割れの原因は、シャブコンや塩分を含んだ骨材使用の生コンや時間超過生コン・B種骨材使用の生コンなどに生じる可能性が高い。
  ひび割れの深さや内部亀裂や破壊などを原告が証明するのは、非常に難しい。当然専門の調査会社に調査依頼をする必要があるが、その費用は原告側が負担することになる。これではいささか問題があろう。ひび割れの状況により、第3者の一級建築士が危険度合いを判別し、その費用負担を原告・被告のどっちが受け持つべきか審理すべきであろう。
 
福岡高裁は、2審においてゼネコンや設計会社の責任は問えないと判決しており、最高裁の差し戻し審で、最高裁の判断を組み入れながら、原判決を行った同僚裁判官にも気を使った判決を言い渡したようである。
  こうした問題は、国民のためを思うならば、国交省が紛争解決の第3者機関を設け、建物の調査をする必要があろう。

<例題>
国体で使用される予定の諫早新体育館の建築現場、生コン会社が設計仕様に謳われているA種骨材使用を粗雑なB種骨材も混ぜて生コンを現場に打った。
そのままだったら、現場監督が素人のようで、施工のゼネコンにも設計監修の設計会社にも疑われなかっただろうが、A種骨材を地域で独占的に販売している砕石会社が、自分とこのA種骨材を、現場に納品する生コン会社が購入しなかったことから調べ発覚。同生コン会社は認め、早速JIS規格の認定を取り消された。

  しかしながら、諫早市当局は、当問題生コンを打った大規模な箇所をゼネコンにハツらせず、そのまま工事を続行しようとして、工事をストップさせたままにしている。

関係者の話では、一部の議員や周辺の者たちが、長崎大学の御用教授に依頼して、工事続行のOKを取ろうと画策して動き回っているという。
(当然、施工の堀内組JVが、膨大な費用負担を伴うやり直し工事をする必要がある。当該の生コン会社は、発注した堀内組JVとの関係であり、諫早市には関係ないこと)

  当体育館の施工業者は、地元選出の谷川衆議(現在、諫早干拓地の不正入植嫌疑により県議会に百条委員会が設置され、長男(=谷川建設社長)が矢面に立たされている)と非常に関係が深いとされる堀内組が筆頭のJVである。
一方、設計や設計監修は、長崎市の松林設計さんが担当している。関係者に自民党の超大物代議士が見えてくる。しかし、同じ自民党でも派閥は全く異なる。
  
松林設計さんが、もしも工事続行を了承して、そのまま建築されたとし、天皇陛下が国体で来られる予定の諫早新体育館であり、来られた時に、たまたま大きな地震が来て、建物に危険が生じた場合、設計及び設計監修責任が大きく問われることになる。そうしたことから、松林設計さんは、断固として了承しないものと思われる。
  

  それほど、生コンは建物にとって重要な構造材である。シャブコンやA種・B種骨材など素人の原告が証明するなど不可能に近いのが現実。判決を下した古賀寛裁判官に現場で、ひび割れの原因を調べてもらうしかない。

[ 2012年1月12日 ]
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