アイコン 中国事情  2012年7.5%の成長にダウン

中国の国会に当たる第11期全国人民代表大会(全人代)第5回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。温家宝首相は冒頭行う政府活動報告で、2012年 の経済成長目標を7.5%に引き下げる。足元の景気減速を受け「安定成長」を図るとともに、経済発展のスピードではなく「質」を重視する姿勢をアピールす る。
今年秋に開かれる5年に1度の共産党大会では10年ぶりにトップが交代し、来年の全人代で政府も新体制がスタートする。任期が残り1年となった温首相は、 「和諧社会(調和の取れた社会)」を掲げた胡錦濤政権の総仕上げとして、国民生活重視の取り組みを強調する見込みだ。ただ、急速な経済成長の裏で拡大した 格差是正に向けた構造改革の課題の多くは、次期政権を担う習近平国家副主席に引き継がれることになる。

中国の経済事情

 

<質が問題>
湖北省武漢市で約150万人に水道水を供給する白沙洲浄水場が汚染され、水道水がホルマリン様刺激臭を帯びていたことが2月29日に判明。市民らはスーパーに殺到し、ミネラルウォーターを買い占めている。中国メディア各社が伝えている。

<全人大代表の王立軍アメリカ領事館へ亡命>
先月、米領事館に駆け込んだ重慶市副市長で、全国人民代表大会(全人大)代表の王立軍(重慶市公安局長)は、全国公安畑では中心的な役割を果たしてきた人物。

<暴動>
新疆ウイグル自治区の当局は2月28日、同カシュガル地区カルギリク県(葉城)で集団暴力事件が発生し20人が死亡。事件発生後、中国政府は同事件を「テロ事件」と位置づけ、「個別的事件」と強調しながらも、ネット上で事件に関する検索を封鎖するなど早期の幕引きを図った。

<タリバンの報復>
パキスタン警察当局は29日、同国ペシャワル市内で中国人女性観光客と同伴男性が襲撃され、死亡する事件が起きた。イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」は、武力鎮圧の「報復行為」として同事件の関与を認める談話をロイターの取材で発した。

<チベット>
チベット民族の正月3日目となる2月24日、四川省内のチベット人居住区で、共産党支部の施設でチベット人男性が、ガソリンに引火させて施設を爆破し焼身自殺する事件が発生。これで一昨年から焼身自殺を図ったチベット人は23人目。

<腎臓闇市>
北京市海淀区の団地「頤和山荘」で、医師、看護士、仲介人など16人による「腎臓の闇売買」が行われていた。
代表格の鄭容疑者と15人の医師や看護士が、51件の腎臓摘出手術を同建物内で行い、不法利益1,000万元(約1億3,000万円)以上を得ていたという。貧困者が腎臓を2万5000元(約32万円)で売り、約10倍の22万元で売っていた事件、裁判中。
 日本人もお世話になっているのだろう。

<国防費>
5日に開幕する中国の第11期全人代(国会)第5回会議の李肇星報道官(前外相)が4日記者会見、2012年の国防予算が前年実績比11.2%増の6,702億7,400万元(約8兆6,900億円)に上ることを明らかにした。
実績比で2年連続の2桁の伸び、当初予算比では11.5%増で、24年連続の2桁増となる。(貨幣価値から1元:12.955円、とんでもない国防費になる)

<ゼーリック世銀総裁>
ゼーリック世銀総裁は、中国経済について、国有企業は、資産管理会社の監視・指導を受けるべきだとし、政治目的ではなく商業ベースでの企業の運営を保障すべきだと指摘。 
中国は、国有企業の役割を制限すべきだ。独占状態を破り、民営企業が競争に参加できるようにしなければならないと述べている。
国有企業が問題ではなく、国有企業が一部の者に

<不動産動向>
2月18日に国家統計局が発表した調査レポートでは、1月の全国70大中都市のうち、新築住宅価格が前月比で下落したのは48都市、残り22都市の価格は横ばい。住宅価格が前月比で上昇した都市は70大中都市のうち一つもない。1月全国新築住宅価格は前月比ペースで4ヶ月連続の下落となっている。
現在中国政府は、政府投資を増やしたい意向だが、高インフレを招くことを恐れている。また、国民の消費意欲が低く、欧州系ザの沈没で輸出もなおさら良くない状況にある。
こうしたことから、政府は民間投資を刺激し経済成長を拡大しようと考えている。不動産業が好調になれば、その恩恵で約40の業界が良くなると目論む。
不動産業は、経済成長を最も牽引していける業界と考えている政府は、不動産価格抑制政策を緩和したいが、世論の圧力を恐れている。そのため、一部の地方政府が密かに微調整を行うのを黙認する形を取っている。地方では、既に不動産譲渡証書税の100%補助が行われている都市もある。
内需=不動産=高いインフレ=国民の不満=質という投資への転換を図ることしかない。

[ 2012年3月 5日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサードリンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   
サイト内検索