2012 額25%減 太陽電池関連の世界市場 拡大も金額ベース縮小/富士経済
富士経済は、今年4月から7月にかけて、低価格化が進みFIT(固定価格買取制度)などの優遇政策に依存しない自律的な市場拡大への方策が求められる太陽電池関連の世界市場について調査を実施した。
この結果を報告書「2012年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望 上巻」にまとめた。
こ の調査は、川上から川下までのバリューチェーン分析を通した太陽光発電関連ビジネスの俯瞰を目的に、太陽電池に関連する市場を2回に分けて実施するもの で、まず第一弾として世界の太陽電池(セル・モジュール)および部材/原料、周辺機器の技術・市場の動向と日本国内の太陽電池・太陽光発電システム市場を 分析している。
第二弾では、日本でのFIT施行後のシステム市場の動向、製造装置及び製造工程で使用される消耗品などの技術・市場に加えて、主要参入企業の分析を行う予定であり、その結果については今後発表する。
<調査結果の概要>
太陽電池の世界市場(モジュール出荷ベース)
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2011年
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2012年見込
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12/11年
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2030年予測
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30/12年
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出 力/MW
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33,028
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40,105
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121.43%
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128,600
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320.70%
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金 額/億円
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40,286
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30,209
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74.99%
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45,520
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150.70%
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2012年は出力ベースでは21%増、金額ベースでは25%減が見込まれる。
出力ベースでは、全体をリードしてきた欧州市場において2011年後半、2012年とFIT(固定価格買取制度)の引下げや補助削減策が相次いだことから、2011年は駆け込み需要により拡大したものの、2012年は縮小が見込まれる。
出力ベースでは、全体をリードしてきた欧州市場において2011年後半、2012年とFIT(固定価格買取制度)の引下げや補助削減策が相次いだことから、2011年は駆け込み需要により拡大したものの、2012年は縮小が見込まれる。
しかし、需要地確保や現地企業育成等の観点から優遇政策の導入を進める中国、太陽光発電システムにとって良好な条件が整っているアメリカやインド、FITが開始された日本などでの需要が拡大しており、短期・中期的にもこれらの需要が市場を牽引し、2012年は40,105MWが見込まれる。
なお、導入量ベースでは、2011年29,728MW、2012年33,000MW(見込)、2030年120,000MW(予測)と見られる。
金額ベースでは、太陽電池価格の下落により縮小が見込まれる。価格下落の要因は在庫量の増加と原料安などの製造コスト低減が挙げられる。
需要は拡大しているものの供給量ほどの拡大は見られず、在庫量が上昇していることから、販売先を確保するため、価格競争が激化している。
また、結晶シリコン太陽電池の生産量増加を見越し、ポリシリコンメーカーが生産能力増強を実施したものの、太陽電池の需要が想定したよりも伸びなかったため、供給過剰となったポリシリコン価格が下落している。
これにより結晶シリコン太陽電池の価格が下がり、薄膜シリコン太陽電池やCIGS太陽電池など価格の安さで対抗してきた他の太陽電池の価格も更に押し下げられる流れになっている。
近年右肩上がりで市場拡大が続いていると見られがちな太陽電池市場であるが、実際には2009年も2012年と同様に出力ベースでは拡大したものの金額ベースでは縮小するという事態に見舞われている。
これは2008年に単年導入量の半数を占めたスペインでFIT制度改正によるインセンティブ引下げによって需要が冷え込み、ポリシリコンの価格が急落、太陽電池の価格も半値近くに下落し、市場が縮小したためである。
しかし、太陽電池価格の下落が2010年以降の高成長に結びついたという見方も多く、今回も太陽電池の低価格化による需要喚起が期待される。
太陽電池市場はFITなどの優遇政策が導入されることで需要が刺激され、市場拡大を遂げてきた。
先進国での優遇政策は後退しつつあるが、普及が進んだことで太陽電池の価格競争力も高まっている。
導入先進国では、経済的優遇政策に依存せずに、安価になった太陽電池の自律成長を促す方策を探究する時期に差し掛かりつつある。
さらに新興国では、2020年から2030年にかけて経済成長や生活水準の向上による莫大なエネルギー需要の増加が予測される中、環境負荷低減との両立には、再生可能エネルギーの活用は不可欠であると見られる。
また、低価格化により導入時の経済的ハードルは更に低くなると見られ、新興国の経済発展による購買力の向上を考慮すれば、太陽電池需要のさらなる拡大が予想される。
長期的には需要地が先進国から新興国にも広がることで太陽電池市場は発展していくと予測され、日照条件の良好なアフリカ、中東、南米、東南アジアでの需要が期待される。
また市場としても2030年には2012年比で、出力ベースで3.2倍の128,600MW、金額ベースで51%増の4兆5,520億円が予測される。
以上。
太陽電池の製造市場は、既に市場は中国メーカーに占領されており、発電効率等画期的な技術的革新がもたらせない限り、製造市場の寡占化はより拡大するものと思われる。
日本企業勢が大規模に生産していく分野では既になくなっている。
中国メーカーの台頭は、中国政府の政策により膨大な資金が投入され、大規模最新生産整備で生産されたことから、いっきに低価格化を招き、市場を制覇している。今では中国+台湾企業のシェアーは60%(RTS調)に至っている。今後とも納入市場は拡大するが、売上市場の伸びは鈍化し続け、その流れは変わらない。
2010太陽光発電セル製造ランキング
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1
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Suntech
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中国
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6.60%
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2
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Ja Solar
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中国
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6.10%
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3
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First Solar
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米国
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5.90%
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4
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英利(Yingli)
|
中国
|
4.70%
|
5
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Trina Solar
|
中国
|
4.70%
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6
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Qセルズ(破綻)
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ドイツ
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3.90%
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7
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Gintech
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台湾
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3.30%
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8
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シャープ
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日本
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3.10%
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9
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Motech
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台湾
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3.00%
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10
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京セラ
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日本
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2.70%
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計
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44.00%
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参照:富士経済
三井造船大分事業所の17MWのメガソーラー予想図
[ 2012年9月18日 ]
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
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