アイコン 良性腫瘍のがん化を解明 神戸大井垣達吏准教ら

神戸大学大学院医学研究科の井垣達吏准教授らの研究グループは、良性腫瘍が特殊な2種類のたんぱく質によってがんに変わる仕組みを、ハエを使った実験で、世界で初めて解明し、がんの新たな治療法の開発につながると期待されている。
ショウジョウバエの目にできた良性の腫瘍に3000種類の遺伝子を1つずつ入れ、どの遺伝子でがんに変化するのか調べた。

その結果、「ミトコンドリア」の機能を低下させる遺伝子を良性の腫瘍の一部に入れると周囲にある細胞が変化し、悪性の腫瘍=がんに変わるのが確認された。さらに詳しく調べたところ、「ミトコンドリア」の機能が低下した細胞からは、「アンペアード」と「ウィングレス」という2種類のたんぱく質が分泌されていて、この2つのたんぱく質が良性の腫瘍を悪性がんに変化させることがわかったという。

これらのたんぱく質の分泌を防ぐ物質が見つかれば、がんの新たな治療法の開発につながる可能性があるということで井垣准教授は「今後、ほ乳類でも同様の実験を行ってがん化の仕組みを調べ、新たな治療法の開発につなげたい」と話しているという。
この研究成果はイギリスの科学雑誌「ネイチャー」net版に掲載される。

 

[ 2012年10月 1日 ]
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