アイコン アルツハイマー病の予防薬期待/阪大の大河内正康講師ら ガンマ・セクレターゼ

アルツハイマー病は、脳に特殊なタンパク質がたまって発症するとされているが、このタンパク質が特定の酵素によって無毒化されることを大阪大学の研究グループが世界で初めて発見し、アルツハイマー病の予防薬の開発につながる可能性があると期待されている。

この研究を行ったのは、大阪大学大学院医学系研究科の大河内正康講師らの研究グループ。アルツハイマー病は、アミロイドベータ42というタンパク質が脳に蓄積することで発症するとされているが、研究グループが「ガンマ・セクレターゼ」と呼ばれる酵素を試験管内で加えたところアミロイドベータ42が病気を引き起こさない形に変化したという。

 

「ガンマ・セクレターゼ」は、これまでアミロイドベータ42が作られる過程で働いていたため、病気を引き起こす要因の一つと考えられていたが、研究グループでは逆にこの酵素を働きやすくさせることでアルツハイマー病の発症を抑える予防薬を開発できる可能性があるとしている。

<年齢による発症率>
年間発症率は65歳以上で1〜2%である。年間発症率は75歳を超えると急に高まり、65〜69歳では1%以下だが、80〜84歳では8%にも上る。85歳以上は更に急激に上昇する。片親が認知症の場合、本人が発症する危険は10〜30%上昇するともいわれている。

<罹患リスク>
アルツハイマー病罹患リスクは、糖尿病患者では1.3~1.8倍に、特にApoEe4アリルが伴う糖尿病の場合は、5.5倍に増加。高血圧・糖尿病・喫煙・高コレステロール血症などが、脳血管型やアルツハイマー型などの本症の危険因子となると報告されている。

<生活による抑制>
1、食習慣:魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)の摂取、野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテンなど)の摂取、赤ワイン(ポリフェノール)の摂取などが本症の発症を抑えることが分かっている。1日に1回以上魚を食べている人に比べ、ほとんど魚を食べない人は本症の危険が約5倍であるというデータがある。

2、運動習慣:有酸素運動で高血圧やコレステロールのレベルが下がり、脳血流量も増すため発症の危険が減少する。ある研究では、普通の歩行速度を超える運動強度で週3回以上運動している者は、全く運動しない者と比べて、発症の危険が半分になっていた。

3、知的生活習慣:テレビ・ラジオの視聴、トランプ・チェスなどのゲームをする、文章を読む、楽器の演奏、ダンスなどをよく行う人は、本症の発症の危険が減少するという研究がある。

4、たばこ:自らタバコを吸う(能動喫煙)だけではなく、非喫煙者であってもタバコから出る有毒物質(受動喫煙)の影響を受け発症率が高まるとされている。

<研究・治療薬>
富山大和漢医薬学総合研究所の東田千尋准教授らのグループは、神経細胞を活性化する働きがある生薬を調べているうち、ヤマイモなどに豊富に含まれる「ジオスゲニン」が、アルツハイマー病に効果があることを、マウスの動物実験で突き止めている。

J&Jの日本法人医療用医薬品日本法人ヤンセンファーマ社は、アルツハイマー型認知 症治療剤として開発したR113675(一般名:臭化水素酸ガランタミン、以下「ガランタミン」 )の国内製造販売承認申請を行っている。

よって発症原因はイロイロ考えられているが、まだ解明されていないアルツハイマー症である。

[ 2013年1月 4日 ]
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