アイコン 日本ユニセフ推奨の「カンガルーケア」埼玉で訴訟初弁論 被告:自治医大病院と国

1月24日、長男が脳に重い障害を負ったのは、新生児を母 親の胸に抱かせる「カンガルーケア」を行った際の安全管理が不十分だったことなどが原因だとして、両親らが自治医科大学病院と国に損害賠償を求めている裁 判が、さいたま地方裁判所で始まり、国=厚労省や病院は争う姿勢を示した。

訴えによると、一昨年5月、埼玉県桶川市の女性が、さいたま市大宮区の自治医科大学附属さいたま医療センターで長男を出産した際、病院側が長男を母親の胸に抱かせる「カンガルーケア」を行ったところ、長男の呼吸が停止し、脳に重い障害を負ったという。

両親らは、病院が安全管理を怠ったことや、国が医療機関に対して「カンガルーケア」の安全性への配慮を十分指導しなかったことなどが原因だと主張し、自治医科大学と国にあわせて約2億8000万円の損害賠償を求めている。

この裁判の審理がさいたま地方裁判所で始まり、国は医師の個別の医療行為を指導する権限はないなどとして、訴えを退けるよう求めた。

また自治医科大学側も、これまでに争う姿勢を示していて、具体的な答弁書は今後出すという。

「カンガルーケア」を巡っては、ケアの最中に赤ちゃんの呼吸が止まるなどのトラブルが起きていることから、専門医らで作る学会が安全管理を十分に行うよう呼びかけている。

原告の父親は『カンガルーケア』の安全管理を怠った責任を明らかにしたい。このような辛い経験を他の人には味わって欲しくないとしている。

 自治医科大学の病院側が、カンガルーケアを実施したものの、赤子の脳障害の発生責任を認めないとしたら、親子は訴訟で戦う前から救われていないようだ。

欧米かぶれで追随主義者の日本ユニセフが、安易にカンガルーケアを推奨(今でも推奨している)、学会・産科医や医療ジャーナリストが、親子の愛情がどうのこうの、母乳の出がどうのこうのと科学的な根拠もなく、マスコミを使い大宣伝しまくり、全国の産科医に浸透した。
結果、カンガルーケアの問題点が、現実問題として死や脳障害など浮き彫りになっても、その非を認めず、先般、やっと、学会がカンガルーケアの実施に当たっての安全管理を呼び掛けた。
問題は、カンガルーケアの実施に当たっての注意点が欠落していたことである。また、日本ユニセフでは、カンガルーケアは、出産直後、可能な限り早い方が効果があると科学的根拠もなく推奨しており、ここに問題の大きな一端がある。

厚労省は、医療行政において産科医学会と連携しており、学会はカンガルーケアの推奨者、厚労省は行政として、カンガルーケアの安全管理を指導する立場にある(当時、産科医に対して、厚労省や学会から安全管理の通達などは出されていない)。

「母乳育児を成功させるための10か条」(WHOとユニセフが1991年に共同宣言)
4条、Help mothers initiate breast-feeding within a half-hour of birth.
分娩30分以内に、赤ちゃんに母乳をあげられるようにしましょう。
6条、Give newborn infants no food or drink other than breast milk, unless medically indicated.
医学的に必要でない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。

元々、カンガルーケアは、保育器も限られ、死亡率の高い後進国(コロンビアのボコダ)で実施され、赤ちゃんの死亡率が画期的に低下したことから、国連機関のWHOとユニセフが取り入れ、世界に流布させたもの。看護士などが付き添って実施するなど、赤ちゃんの急変に対応する一文が条文にはないのが最大の問題である。

赤ちゃんの急変や異変を産後直後で、疲労困憊・(人によっては)意識朦朧の産婦に求めるのは異常である。

長崎カンガルーケア事件では、日本ユニセフ協会は、JC-NETに対し「WHOほか世界の産科医が認めたカンガルーケアであり、実施推奨に問題点は一切ない」と異常事態が長崎で生じているにもかかわらず回答していた。

<マスコミの責任>
マスコミもこの問題を取り上げ出したのは、最近、死亡事故などが発生してきたことからである。TV局は、母乳で子供を育てようとワイドショーなどで取り上げ、多くの産科医や医療ジャーナリストたちを出演させ、カンガルーケアを盛んに取り上げていた。そうして、学会側とTV局により全国の産科医にカンガルーケアは浸透して行った。
注意点を説明せずカンガルーケアを推奨したTV局に反省の意識があるならば、こうした問題の報道を大々的に取り扱うことだ。産科医にカンガルーケアの盲信者が多いのにも驚かされる。

 

[ 2013年1月25日 ]
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