アイコン 日米携帯電話会社の勢力図 中国は・・・

日米携帯電話会社の勢力図 ソフトバンク今後の見通し LTE方式の違いが鍵
米国には巨艦のベライゾンとAT&Tがあるが、中国では携帯電話加入件数が人口の多さを反映して8億件ともいわれ、桁外れに大きい。
中国の携帯電話会社には、China Mobile(新中国移動通信)、China Unicom(新中国聯合通信)、China Telecom(新中国通信)があり、3Gを導入しており、LTEも既に導入または導入を予定している。経済の急成長に伴い、膨大なインフラ投資を伴う固定電話より、インフラ投資が少なくて済む携帯電話が、経済成長とともに全土に急速に普及したことによるものだ。

経済の急成長に伴い、膨大なインフラ投資を伴う固定電話より、インフラ投資が少なくて済む携帯電話が、経済成長とともに全土に急速に普及したことによる。

日米携帯電話

ロイターは今回のソフトバンクの米スプリント買収について、次のように、今後の見通しを掲載している。
 ソフトバンクは米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収して米国市場に進出する。だが、AT&Tとベライゾン・ワイヤレスの「2強」が支配する米国市場でどこまで立ち向かえるかは不透明。
一方で、スプリントが5割弱を出資するクリアワイヤは、高速通信「LTE」においてソフトバンクが推進する規格の普及に向けて存在感を発揮しそうで、日本と米国での携帯業界の勢力図を変える可能性も出ている。

<純投資の性格鮮明>
「わ れわれは一番いいところでスプリントの買収を決めた」ソフトバンクの孫正義社長は15日の記者会見で、スプリントの業績が回復しつつあるタイミングでの投 資効果を強調した。2004年12月にスプリントがネクステルを買収して発足した同社は、2社で異なる通信方式の統合コストがかさんで赤字を継続していた が、ダン・ヘッセCEO(最高経営責任者)によると、2社のネットワーク移行や大型設備投資に目途がつきつつあり、2014年以降に業績拡大が見込まれる という。
米アップルの「iPhone」取扱いでスプリントは、AT&Tとベライゾンに出遅れたものの、2011年10月から「4S」の販売を開始。さらに、2012年7月からはLTE網の整備を本格化している。
株価は上昇傾向にあり、スプリントの利益成長は、ソフトバンクの連結業績に寄与するだけでなく、資産価値としての評価が高まっている。
孫社長は「スプリントはすでに自ら業績回復している」と強調。これにより市場では「純投資の性格が強い買収」との見方が出ている。
一方で、NTTグループのシンクタンクである情報通信総合研究所の岸田重行・主任研究員は、この買収について「スプリントの既存の戦略を加速させるもので、戦略を変えるものではない。今のところ米国の上位2社を追いかける決定打は見えない」と指摘している。
米国の携帯電話の加入者シェアは、AT&Tとベライゾンの「2強」が市場の63%を占めるのに対してスプリントは18%にとどまり、シェア争いでは引き続き苦戦を強いられそうだ。

<メトロ買収よりクリアワイヤか>
ソ フトバンクの米国戦略では、携帯業界の再編にどう関わっていくかも焦点だ。今年10月3日に業界4位のTモバイルUSAは5位のメトロPCSコミュニケー ションズとの合併を発表。4位と5位の合併の動きに対してスプリントは、ソフトバンクから受け取る80億ドル(6240億円)を使えば、Tモバイルに代 わってメトロ買収を提案するか、Tモバイルとの合併を待った上で買収する選択肢が出てくる。
だが、スプリントはネクステルとのネットワーク統合に 苦戦している最中。これ以上の統合コストをかけてまでシェア拡大のためにメトロを買収するメリットは薄そうで「すぐに他の携帯事業者の買収に動くことは考 えにくい」との見方が強い。むしろ市場や日本の携帯業界でもっとも注視されているのは、スプリントが48%を出資する高速無線業者のクリアワイヤだ。
クリアワイヤが2013年の開始に向けて建設するLTEは、ソフトバンクが普及を目指す「TD―LTE」と呼ばれる方式。
ソ フトバンクは2011年2月、中国移動(チャイナモバイル)、英ボーダフォン、インドのバーティ・エアテルの4社でTD-LTEの推進団体を設立。さら に、今年の冬モデルで発売するアンドロイドスマホの主力機種はすべてをTD-LTEに互換する「AXGP」と呼ぶ高速通信サービスに対応させている。

<TD―LTEのアイフォーン登場なら激震>
し かし現段階では、LTEの通信方式の主流は、NTTドコモやAT&Tはじめ日米欧の携帯会社が採用する「FD―LTE」方式。LTEに対応するアイフォー ン5はFD―LTEを採用しており、ソフトバンクもアイフォーン5の発売に合わせて9月からFD―LTEのサービスを始めている。
日本ではソフトバンクだけが進めるTD―LTE規格の世界的な普及に向けては「中国市場を握るチャイナモバイルとの連携が重要」だが、米国市場でTD―LTE網の整備を目指すクリアワイヤとの連携もカギを握る。
ソ フトバンクと競合する日本の携帯事業者が最も恐れるのは「アップルのアイフォーンがTD―LTE対応に乗り出すこと」だ。仮にそれが実現すれば、日本だけ でなく米国でもソフトバンクグループが圧倒的に有利な立場に立つ。クリアワイヤをテコにTD―LTEの普及に弾みをつけることができれば、日本市場におけ るNTTドコモやKDDIとのシェア争いや、米国市場でもAT&Tやベライゾンに対抗する手段として重要な戦略になり得る。
クリアワイヤについて ヘッセCEOは15日の記者会見で「大口投資家としてよい関係を保っている」と述べるにとどめ、出資比率の引き上げについて言及を避けた。孫社長も 「LTE技術はさまざま検討している。戦略に関わるので何をやると言うことはできない」とクリアワイヤの評価を控えているが、TD―LTE対応のアイ フォーン導入に向けた次の一手に一段と注目が集まっている。以上。

韓国人の血・日本人の技・アメリカ人の商才を持つ策士で野心家の孫氏、日本でそうであったように、ロビー活動など朝飯前に行うほどの力量を持ち、今度は米携帯電話市場で何を仕掛けてくるのか・・・、孫氏のロマンが息づいている。
(世界から見れば日本はローカル、メジャーの米市場で名を成さない限り、自らもメジャーになれないと思っているのだろう)

[ 2012年10月16日 ]
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