アイコン ゴム弾で中国の漁師を銃殺/韓国海洋警察 韓国EEZ内違法操業 4紙記事

韓国南西部の全羅南道沖合の排他的経済水域(EEZ)で16日、 韓国海洋警察の警備艇が不法操業中の中国漁船を拿捕しようとした際、同警察隊員が発射したゴム弾が中国人船員の胸に当たり倒れ、船員はヘリコプターで搬送 された韓国南西部木浦の病院で死亡した。木浦海洋警察が明らかにした。死因を詳しく調べている。
 当時、周辺海域では約30隻の中国漁船が操業中で、船員らは刃物を振り回して拿捕に抵抗したというが、韓国政府は死者が出たことは遺憾だと中国側に伝えた。中国が反発し、韓国との関係が悪化する可能性もある。

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朝鮮日報掲載写真

<排他的経済水域(EEZ)>
沿岸国は国連海洋法条約に基づいた国内法を制定することで自国の沿岸から200海里(約370km<1海里=1,852m>)の範囲内の水産資源および鉱物資源などの非生物資源の探査と開発に関する権利を得られる。その代わりに、資源の管理や海洋汚染防止の義務を負う。

<中国正式コメントの洪磊報道官>
当事件について、中国外務省の洪磊報道官は17日の定例会見で、中国政府が、韓国側に抗議したことを明らかにするとともに、「韓国側には、事実関係についての徹底した調査と、中国人の漁業関係者に対する生命の安全と合法的な利益を保証するよう求める」と述べた。
韓国の排他的経済水域では、不法操業の中国漁船の乗組員が韓国側の取締りに対し、刃物などを使って抵抗する事件が相次いでおり、昨年12月には取締りに当たった警察官が死亡する事件も起きている。

<韓国・朝鮮日報報道>
「違法操業:中国漁船員死亡、海洋警察は正当性を主張」
韓国の海洋警察官が撃ったゴム弾で、中国漁船の船員1人が死亡する事件が発生した。この事件は16日、韓国の排他的経済水域(EEZ)を侵犯して違法操業を行っていた中国漁船約30隻を発見した海洋警察の「3009」号が、漁船に対する立ち入り検査や拿捕(だほ)を試みた際に発生した。韓国海洋警察の取り締まり中に、中国漁船の船員が鎮圧用装備で死亡したのは、今回が初めてだ。16日午後3時10分ごろ、全羅南道の紅島(新安郡黒山面)北西約90キロの海上で違法操業を行っていた中国漁船約30隻を、木浦海洋警察署に所属する3009号が発見した。

 海洋警察は直ちに、これらの漁船に対する立ち入り検査を試みた。しかし中国漁船は海洋警察の船舶が接近できないよう、先のとがった棒を船体に差していた上、船員たちも、海洋警察の船舶が接近すると鉄のノコギリや刃物などの凶器を振り回し、激しく抵抗し始めた。
 そこで海洋警察は、約30隻の中国漁船のうち、排水量100トン級の二艘(そう)引き網漁船2隻の拿捕を試みた。
海洋警察は、取り締まり要員を乗せた高速ボートを3009号から降ろし、1隻の漁船に接近させたが、中国漁船の船員たちは抵抗を続けた。
そこで取り締まり要員は、非殺傷用のゴム弾を船員らに向けて発射した。海洋警察側によると、ゴム弾は1人の船員(44)の左胸に命中し、倒れたという。
海洋警察は、倒れた船員を3009号に移して応急処置を施した後、ヘリで木浦の韓国病院に搬送し治療を行ったが、16日午後6時ごろ死亡した。
 海洋警察の関係者は「正当な法執行の過程で、取り締まり要員が生命に危険を感じ、鎮圧用装備を使用した。倒れた船員を助けるため最善を尽くしたが、結果的に死亡し残念だ」と語った。
 海洋警察に拿捕された違法操業中の中国漁船2隻は現在、木浦港に向けて航行しており、17日午前中に入港する予定だ。また海洋警察は、拿捕された漁船が木浦港に到着し次第、公務執行妨害の容疑や船員の死亡原因などをめぐり、立ち入り検査を試みた警察官と中国漁船の船員を法手続きにのっとって厳正に取り調べ、真相を明らかにする予定だという。
 
外交通商部(省に相当)も、事件直後に在韓中国大使館に遺憾の意を伝えた。外交通商部の当局者は「是非を論じる前に、人が亡くなったということに対し遺憾の意を表明した」と語った。この当局者によると、在韓中国大使館側は「本国に伝えたい」と述べたという

<中国・人民日報・人民網の報道>
「韓国海洋警察がゴム弾で中国の漁師を銃殺」
前段は朝鮮日報と殆ど同じで省略。
中国側の反応
 韓国側の銃撃に強い不満
 17日夜8時頃、光州駐在中国総領事館の杜士坤副領事は同事件を認め、木浦に向う途上だと明らかにした。
杜副領事は、韓国の海洋警察が発砲して暴力的な法執行を行ったことに強い不満を表すとともに、乗組員の死亡に深い遺憾の意を表した。
また杜副領事は、総領事館が同件について韓国側に交渉を提起したことを明らかにした。
 杜副領事によると、韓国時間の17日9時、拿捕された中国の漁船2隻が木浦港に到着。現在は死者の遺体のみが木浦にあり、杜副領事と領事館の関係者が現場へ向い、状況の把握に努めるという。

<中国・新華社報道>
「韓国取り締まりで中国漁船船員死亡、在韓中国大使館が抗議」
中国の駐韓国大使館は16日、韓国海洋警察による中国漁船の操業取り締まり中に中国人船員が死亡したことを受け、韓国海洋警察に対して抗議と強烈な不満を示した。

韓国側の発表によれば、16日午後、中国漁船の船員1人が韓国海洋警察の取り締まり中にゴム弾を受け、死亡した。

駐韓国中国大使館は韓国側に厳重な申し入れを行い、韓国海洋警察が取り締まりにおいて中国人船員を死亡させたことについて韓国側に抗議と強烈な不満を示した。また、韓国側に事件究明と中国側への早期の報告を求め、中国漁業関係者の合法権益を守り、善後処置を適切に行って措置を取り、文明的な取り締まりを徹底すること、再発を防止することを要求した。

 中国の駐光州総領事館は領事館員を現地に派遣し、状況把握を進めると同時に、韓国側に対して適切な処理を促している。韓国側は事件の経緯を真摯(しんし)に調査し、その詳細を中国側に報告して法に基づき善後処置を行うと約束した。


 

 

[ 2012年10月18日 ]
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