中国では９月の鉱工業生産指数や消費指数が堅調であり、底入れ感が強いとエコノミスト達が述べている。しかし、鉱工業生産は欧米経済の動向に左右され、特に欧州経済が底入れしたとはまだ言えず、中国の９月の生産指数はクリスマス向けの商材輸出による一時的なものとも解される。

欧州の自動車販売台数予測では、９月大きく落ち込み、来年も大きく期待はできず、本年並みとしている。

　中国の消費指数は以前から底堅く推移している。しかし、ＧＤＰを牽引するだけの力には至らないと思われる。また鉱工業生産指数とのタイムラグも発生する。不動産市場も一部には底入れ感が見えているようだが、大きくジャンプすることはもうない。
　農民工等大量の労働者を要する中国では、雇用維持からも保八＝８％のＧＤＰ成長率が最低必要とされ、７．４％の成長率は、勤労者＝消費者にも今後厳しいものになってくる。　

中国の賃金の上昇により、昨年から外国投資が顕著に減少しており、遅ればせながら、進出に積極的になった日本も、中国の反日策動で今後減少に向かう。世界の工場として輸出依存により経済を成長させてきた中国は、その成長そのものに影りが出て来ているといえる。
　また、中国の反日制裁が続けば、尚更、中国経由の製品（＝中国の輸出）は遅滞し、日本どころか中国経済にも大きく影響してくるものとなる。
　
少し明るい話題としては、米国の９月の住宅着工件数が、前月比１５％の大幅増の年換算８７万２０００戸と、２００８年７月以来の高水準となったことだろう。しかし、１月には財政の壁が立ちはだかっており、アメリカ経済を手放しで喜ぶ状況にはない。
中国経済は欧米の経済次第となっている。（香港や台湾・韓国・東南アジアへの輸出は、更に経由して欧米に輸出されているものも多い）