アイコン すっきりした話 円安は容認すべし/著名な米大教授

ハーバード大のニーアル・ファーガソン教授27日付フィナンシャル・タイムズへの寄稿 で、日本の差し迫った経済状況を考えれば、国際社会は円安政策をある程度受け入れるべきであり、むしろ過去5年間に実質的な通貨価値が大幅に下落した韓国 が日本を非難するのは偽善的だと主張している。

 ファーガソン教授は「1971年にニクソン米大統領(当時)がドルの金本位制を放 棄し、為替変動を認めて以降、過去40年にわたり『万人の万人に対する戦争』であるかのように通貨戦争が行われている。今年に入り、ある国(日本)だけが 通貨戦争を触発したと非難するのは誤りだ」とし、「過去20年間、名目国内総生産(GDP)が増えていない日本の差し迫った経済状況を考えれば、日本にし ばらく休憩時間を与える必要がある」と指摘している。

 その上で、ファーガソン教授は、韓国について「実質実効為替レートで見ると、ウォンは2007年8月以降、19%も下落しており、世界でも最も攻撃的な通貨戦争の戦士だった」とし、韓国が日本の円安政策を非難するのは「偽善」だと批判した。

実質実効為替レートとは、貿易相手国の物価上昇率も考慮した為替レートで、相手国よりも物価が上昇すれば、実質的な通貨価値は減少する。このため、通貨が下落したように見える国でも、物価上昇率が高ければ、実質実効為替レートは下落する。
 
スター経済学者として知られるファーガソン教授の主張は、アベノミクスによる円安政策に関する論争が過熱する中、国際世論が決して韓国に友好的とは限らないことを示していると韓国紙は掲載している。

高度技術製品や自動車が世界で競り合うドイツの首相もダボス会議で、日本政府の円安政策を批判している。当然自国の利益が損なわれることに危機感を持っているのであろう。自国のことしか考えない欧州のトップたちである。

世界的なヘッジファンドのソロス氏もダボス会議で、日本の円安政策を批判している。彼はヘッジファンドとして、急に円安になったら、自らの投資に困ることから、世界的な経済学者のように述べているだけである。

為替戦争になったところで、円高を仕掛けたのは、米国のドル垂れ流しとともに欧米のヘッジファンドであり、喜んだのは欧米諸国である。痛い目にあった日本がその修正に入ったのを批判するのは筋違いである。
為替レートは、各国の実体経済を反映させるべきであるが、紙切れ経済と化かした新自由主義金融経済は、好き勝手に国をおもちゃにしている。
その最たる出来事が1997年に生じたヘッジファンドの空売りに始まる東南アジア通貨危機であり、ヘッジファンドがハゲタカ格付機関まで導入したサブプライムローン問題による世界バブル崩壊である。

来るG20では、日本の円安政策は主たる議題に上らないという。日本は、円安誘導でもしない限り、借金まみれで沈没するのは目に見えていた。しかし、円安は、輸入価格が高くなり、悪化の一方の食料自給率に見る穀物等の輸入価格が高くなり、ガソリン・化成品・小麦粉などの価格が軒並み上がることを意味する。
国民の減る一方である可処分所得から消費税をさらにむしり取るだけでも国民生活を圧迫することになり、円安誘導により、穀物(=小麦粉や大豆など)や燃料・電気代等の高騰により、国民生活はいよいよ疲弊することになる。
こうしたことから、節度ある円安誘導が必要であり、間違えれば、国民の購買力が落ち、経済はさらに悪化することになる。
(日本の国家財政は負債が資産を上回っている。前年度から41兆5千億円拡大して459兆3千億円となり過去最大の債務超過に至っている。=民間決算方式によるもの。地方自治体もグチャグチャ。また、1,000兆円ある国の借金も別。)
箱物などインフラ整備への巨額公共投資での経済波及効果は限定的なものだ。また、一時的な効果しか生じない。
また、厳格なる運用には触れず生活保護費を下げることは、本当に働けない貧困層の保護世帯にとっては大問題であろう。

[ 2013年1月30日 ]
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