アイコン 中国/第3四半期の貿易額6.2%増 欧州・日本減少

中国商務省の瀋丹陽報道官は10月19日の会見で、(第3四半期累計期間)1月~9月までの中国の対外貿易輸出入総額は、前年同期比6.2%増加したものの、EU・欧州連合や日本向けの貿易は減少したことを明らかにした。

 1月~9月までの中国の輸出入総額は2兆8千億ドルを超え、前年同期比6.2%増加した。
そのうち輸出は7.4%増、輸入は4.8%増と、貿易黒字は1,483億ドルで約4割増加している。

外資導入関連では、1月~9月までの新規外資系企業の設立の認可件数は、前年同期比1割減少し、外資の実際利用額も▲3.8%低下した。

欧州、アメリカ、日本などの先進国の対中投資には、増減が見られるが、全体として減少幅は縮まっているという。

 また1月から9月までの第3四半期累計期間に、中国企業は合わせて126ヶ国と地区の3,000社の外国企業に直接投資し、累計で金融類以外の企業への直接投資額は520億ドル以上となり、前年同期比約3割増加したと報じている。
以上、チャイナ・ラジオ
 
 中国の2011年の輸出伸率は2010年に比し20.3%増、輸入は同24.9%増、輸出入合計では同22.4%増となっていた。そうしたことからも2012年は第3四半期までであっても6.2%増が、如何に中国経済が減速しているか窺い知れるものとなっている。

以上のことにより、先進国向け輸出入は鈍化して、中後進国向けの取り扱いが大幅に増加していることになる。しかし、欧米経済が低迷している中、しかも中後進国の経済規模は大きくなく、中国が拡大し続ければ、バーターでない限り大きなリスクを伴うことになる。
中国の外資導入関連は、外国勢がマイナスに転じる中、最後にばばぁ引きにのこのこ出て行った日本の企業投資が、本年7月頃まで大量に続いていたことから、その後の反日の動きによる日本の対中国投資減少の影響は、第3四半期までには現れていない。ましてや、チャイナ・リスクで工場進出する際のデモ等による被害リスクの保険が付かなければ、投資も大幅に減じることになろう。(中国側・・・愛国無罪・リスクは日本にあり)

しかし、中国企業の外国企業への投資は目覚しく、欧米の先進国の企業は、電子産業が特に狙われ、その技術が母国に還元され、輸出競争力はますます強くなっていることも確かである。その典型的な例が太陽光発電モジュールである。そうしたことから、アメリカでは、中国企業による米先端技術企業の買収に当たっては、難癖を付け、やっとこさ買収阻止にあたっている有様だ。
資源についても、いくらあっても到底足りない中国にあり、中国政府直系企業が、豪州・南米・アフリカなどの資源会社の買収も進めてきた。しかし、景気後退により、石炭・鉄鉱石など資源価格が暴落、大損しているのが現在である。ところが、中国にとって、長期的には計り知れない利益をもたらすことになる。国家戦略である。
原油にしても、中国企業が、戦場のアフガンで原油採掘の試掘を始めたというニュースが流れていたが、したたかという言葉しか見当らない。アフガンはアメリカや先進国・日本が膨大な国費を投入して乗り込んだものの、漁夫の利で中国がおいしとこ取りする様相が強くなってきている。こうした延長線上に尖閣問題(大陸棚の天然ガス+原油)もある。
 

[ 2012年10月25日 ]
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