アイコン 中国の企業借入は異常値 マネーサプライ200%

中国の信用バブル規模は世界一。主要国中央銀行のデータとゴールドマン・サックス社の調査結果に基づき、「ゼロヘッジ」が公開している比較に基づき、ゴールドマン・サックスはこのことを「憂慮すべき事態だ」と指摘している。

ゼロヘッジが公開したデータによると、中国企業の債務残高のGDP比が急速に伸びており、2011年では世界一の151%に達している。そのうち、信用残高のGDP比は130%で、信用バブルの規模も世界トップであることを示している。

負債増加は、2008年以降に中国政府が主導してきた大規模な製造業への投資刺激策にある。今や太陽光エネルギー関連企業は圧倒的な世界市場占有率を有しているが、欧州経済の景気後退から、生産設備の過剰状態に陥り経営危機に陥っているほどである。同じことは鉄鋼、造船も全く同じ減少が生じている。ゴールドマン・サックスは「これほどの負債率はマクロ経済においても、企業というミクロの視点からでも、危険である」と指摘し、「過剰な生産を消化するためには、企業に対する支援を行うだけでなく、内需拡大を目指し消費部門により力を入れる必要がある」としている。

ゼロヘッジは、中国の債務残高総額は、簿外融資やシャドーバンキングなども計算に入れると、米国の345%という債務総額のGDP比をさらに超えるものになると見ている。
 昨年中国政府が公表した国内総生産(GDP)は47.2兆元となっているが、これに対し、中国人民銀行の統計によれば、9月末現在の貸出残高は61.51兆元で、対前年比16.3%増となっている。2008年末の30.3兆元から倍増し、年平均増加率は22%となっている。
 また、今年1~9月末までの社会全体の融資規模は11.73兆元で、人民元建て貸付の総貸付に占める割合は2002年の91.9%から57.3%にまで下がり、一方、委託貸付や信託貸付、銀行引受手形などの簿外取引融資額が急増している。
 さらに、中国のシャドーバンキング取引は、監査対象外の証券取引以外に、委託貸付や少額貸付会社、担保会社、信託会社、ファイナンス会社、リース会社などによる貸付取引、地下銀行、民間貸借業者、高利貸業者なども含まれる。2010年中国のシャドーバンキングによる貸付残高は20兆元に上り、GDPの約2分の1にあたると推測している。

 中国の信用バブルについて、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が昨年の年末に発表した論評では、この類の信用バブルが幾度も悲惨な結末を迎えた前例を見れば、中国だけが例外になるような理由も見当たらないと評している。
 中国では、内需主導型経済政策で各内需指数は改善され、不動産価格も底を打ったとされている。しかし、輸出低迷や外資による投資は減少しており、政府の資金供給(2012年9月のマネーサプライGDP比200%・・・目的はインフレ抑制だが資産インフレの弊害)や地方行政機関による内需主導ばかりでは、いつまでも続かないことは自明であり、同国の株式市場が示すとおり、先行きは重たいものとなっている。IT産業もバックドア問題を抱える華為のように中国の軍需産業と深く関係した企業も多く、スパイ天国の日本を除き各国(米・加・豪など)は行政機関における華為製品などの導入を敬遠し始めているのが実情。
 
下記グラフは、企業借入総額のGDP比。左から中国(151%)・香港・シンガポール・マレーシア・イギリス・日本(113%)・オーストラリア・台湾・タイ・アメリカ(75%)・・・となっている。アメリカでは70%とを一応の上限としている。

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[ 2013年1月16日 ]
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