アイコン 事故連発多発ボーイング787型機/米当局 日本より先に本格調査へ

米当局は11日、ボーイング<BA.N>の新鋭旅客機「787」(ドリームライナー)で技術的なトラブルが相次いでいることに懸念を表明し、包括的な調査に乗り出す方針を明らかにしたとロイターが報じた。

同機の飛行は安全だと強調した上で、バッテリー発火など一連のトラブルの根本的原因を特定するため、徹底した調査が必要だとしている。

ラフード運輸長官は記者会見で「ボーイング787型機に関する最近の出来事をめぐり懸念の声がある」と述べ、包括調査を行う考えを示した。

米連邦航空局(FAA)は調査について、電気系統に重点を置き、設計や製造・組立工程について調べると説明した。

FAAのウエルタ長官は、787型機に対する一般市民の信頼を守りたいと表明。ラフード運輸長官は、自身が787型機で飛ぶこともためらわない考えを示した。

会見に同席したボーイング民間航空機部門のレイ・コナー最高経営責任者(CEO)は、787型機の信頼性を最大限に高めることにコミットしていると強調し、「787については全幅の信頼を置いており、顧客の信頼も得ている」と述べた。

また、787型機の安全性をめぐる諸問題は生産の外注や急速な生産拡大が原因ではないとの見方を示した。

(ボーイング社は議会などへ膨大なロビー活動費を注ぎ込んでいることで知られている)

<事故連発>
787型機をめぐっては、米ボストン・ローガン国際空港で7日朝方、駐機していた日本航空の同型機でバッテリー爆発火災が発生し、装置格納部が大きく損傷した問題について、米国家運輸安全委員会(NTSB)が別途調査を行っている。

8日には、同じ米ボストン・ローガン国際空港で、成田空港に向けて出発態勢に入ろうとした日航の同型機(7日事故便とは別機)から、滑走路に燃料が漏れ出ているのが発見され、乗客を降ろし飛行を取りやめた。

9日、全日空の同型機が、羽田空港を離陸し山口宇部空港に向かう途中、ブレーキシステムの不具合を知らせる警報表示が出、山口宇部空港に着陸したあと点検し たところ、左側の翼の下にあるタイヤのブレーキを制御するコンピューターシステムに不具合が見つかった。

11日、全日本の同型機が、羽田空港から松山空港に向かっていた途中、操縦室の窓ガラスにクモの巣状のひびが入った。5層構造の1枚に巣状のひびが入ったものであった。

11日、宮崎空港に到着した同型機で、左エンジンのジェネレーター(発電機)付近からのオイル漏れを羽田へ出発前の整備点検で確認された。

787型機はボーイングの最新鋭機で、新素材を使った機体軽量化により燃費性能が2割向上。現時点で航空各社が787の調達を見直す動きは出ていないが、米当局による包括調査によって設計変更などが必要になれば、同機の開発遅延やコスト拡大に悩まされてきたボーイングにとっては大きな痛手となる。

こうした事故に対して、ボーイング社は日本のマスコミ取材に対し、「運航当初はイロイロなトラブルが生じることは常、安全運航に支障はない」といい加減な回答をしている。

<2012年運行したばかりも事故多発>
2012年1月21日に就航したばかりの全日空の羽田-フランクフルト便では、すでに2回欠航している。
2012年1月26日にはフランクフルト発のNH204便でフラップの不具合が見つかって欠航。
2012年1月30日の羽田発NH203便は、飛行機を監視するためのソフトウェアに不具合があったとして欠航になっている。
ただし、同社では、この2つのトラブルは、航空機のトラブルの中では、比較的小規模なものだとボーイング側は見ていた。
2012年2月3日、山口宇部空港でスピードを制御する補助翼の不具合が見つかった。
2012年2月14日、山口宇部空港で、全日空(ANA)の最新鋭機・ボーイング787-8型機にエンジンの不具合を示すランプが点灯し、午前10時発羽田行き694便が欠航した。

その後、JC-NETではB787型機の事故追跡をしていないが、2013年1月7日から事故が連発していることから、それなりの事故が多発していた可能性は否定できない。ただ報道されなかったのか、事故を隠蔽してきたのか、こうした事故がなかったのか?

国交省の航空当局は、問題のB787型機を日本の航空会社が飛ばし米国や日本で事故を多発させているにもかかわらずトロイことから、米当局が日本の航空当局より先に本格調査に乗り出した。
航空会社にしても、本格調査となると、既に多くの便を飛ばしていることから、欠航させるには行かず、問題の先送りに徹しているのかもしれない。
大きな事故が発生しなければよいが・・・。
日本当局も独自に緊急に本格調査に乗り出すべきだ。

もしくは、こうした事故連発を受け、乗客が挙って、安全優先から乗るのを忌避したら、航空会社もボーイング社も当局も徹底した調査に乗り出すしかなくなるのだが・・・。

日本の空に、問題のB787型機が現在22機(全日空16機、日航6機)飛んでいる。全日空はこれまでに787型機を合計で55機発注している。
ボーイング社が787型機の生産第1号機を全日空に納入したのは2011年9月28日。
 

[ 2013年1月12日 ]
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