アイコン ボーイング式787型機の燃料漏れ 粗雑塗装が原因

国交省は、ボーイング式787型機で発生した燃料漏れ等に係る航空局の調査結果について次の通り発表した。
1、JALにおける燃料漏れボストンと成田事案(1月9日(日本時間)・1月13日発生)
2、ANAにおけるブレーキ装置の一部不作動(1月9日発生)
3、ANAにおける操縦室窓のひび割れ(1月11日発生)
4、ANAにおける発電機用オイルの熱交換器からの漏洩(1月11日発生)

1、燃料漏れ
(1)ボストン事案
飛行データ、燃料ポンプの性能、燃料配管の仕様等に基づいて解析した結果、異物の噛み込み等により、
ア、左翼タンク内の逆流防止弁が一時的に開状態となったこと、又は、
イ、中央タンクと左翼タンクとを結ぶ配管に設置された燃料弁が一時的に開状態となったこと
で意図しない燃料移動が生じ、燃料漏れに至った可能性がある。

(2)成田事案
事案後の機体の点検において、燃料放出弁の開閉について、操縦室では閉状態の表示であったにもかかわらず、実際には当該弁が閉じていなかったことが確認された。
当該弁の駆動装置を分解して詳細検査を行った結果、マイクロスイッチ(それぞれ弁の開状態と閉状態を感知し、かつ、弁の開閉を制御する部品)に通常塗布されるべきでない絶縁コーティング及び異物が付着していることが判明。これにより、閉状態を感知するマイクロスイッチが押された状態で固着したことから、操縦室で当該弁を開状態から閉状態に戻す操作を行った際、同スイッチが閉状態を感知し、操縦室では閉状態を表示するとともに、駆動装置は作動せず、実際には当該弁が開状態のままであったため、燃料漏れが発生した可能性がある。

2.ブレーキ装置の一部不作動
ブレーキ装置の制御装置について詳細検査を実施した結果、当該制御装置の内部部品(トランジスタ)の破損が確認された。当該部品の製造品質などが原因で発生した可能性が考えられるが、ボーイング社及び部品製造者において詳細調査中。
3.操縦室窓のひび割れ発生
これまで発生した同種事例ではシール部への水分侵入が原因であったが、今回の事例は、窓内部のくもり止めフィルムの製造品質などが原因で発生した可能性があり、ボーイング社及び部品製造者において詳細調査中。
4.発電機用オイルの熱交換器からの漏洩
ロールスロイス社製エンジンを装備したB787と改良型発電機との組合せで熱交換器からのオイル漏れが発生しており、オイルの脈動による負荷により、熱交換器内の配管に微小亀裂が生じた可能性がある。

[ 2013年2月22日 ]
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