三井住友建設/第3四半期 親の離婚の影響 受注状況付
同社は業績変更について、受注が堅調であり、売上高は前回予想を上回る見通しですが、利益面では一部建築工事の採算が悪化したことで、営業利益・経常利益・純利益は前回予想を下回る見通しとしている。
同社は第3四半期までの業績について、国内建設市場は、経済対策による公共投資増や消費税増税を控えた住宅投資の増加が期待されているが、依然として民間設備投資の動きは鈍く、加えて建設労働力の逼迫による労務費の上昇と工期への影響が深刻化しており、厳しい経営環境が続いているとしている。
<安定株主不在>
大和証券と三井住友銀行の「離婚後の喧嘩」第2ラウンド
D2割の市場放出で株価急落も?その次にはC4割の放出も?
同社の場合、大和証券と三井住友銀行が、三井住友による日興コーディアル証券買収に伴い仲違いした経緯があり、実質、安定株主がいない状態となっている。
同社の潜在筆頭安定株主は、主要優先株主である大和証券系となっている。しかし、大和証券系は2月8日、所有する三井住友建設の優先株式D(2,782,800株=普通株式換算126,490,909株)の全部について、普通株式を対価とする取得請求権を、行使期限も到来(平成20 年10月1日)しており、8日付で行使すると発表した。更に取得した普通株式は、市場で叩き売るとしている。
また、今後行使予定の優先株式C(5,781,200株=普通株換算262,781,818株)もあり、現在の三井住友建設の発行済み株式総数が、418,989,667株であることからして、大和証券系により取得される普通株式が、如何に大きいか計り知れるところである。
<望まれる三井住友財閥系による安定株主化>
こうした大和証券任せの三井住友財閥による放置プレーから、どこまで三井住友銀行グループが、三井住友建設を支援するのかわからないところでもある。
大和と三井住友系が話し合いで当該株の譲渡となれば別だが、これまで震災復興工事、老朽化した首都高速・高速道路の大改修の問題、予算バラ撒きの自民党政権誕生などにより、ゼネコン株価高騰の先鞭を付けてきた同社株が、今後、大和証券により水を差される可能性が高くなっている。なお、大和証券の取得原価は55円。8日現在97円。
三井住友建設は、もっかのところ、薄利ながら赤字ではないことから危険性はないが、ケチな住友財閥系が両財閥の指導権を握れば、決算しだいでは同社は危い存在にもなる。三井不動産にしろ、住友不動産にしろ積極的な同社の支援体制が望まれるところであるが・・・。
2013年3月期第3四半期における受注状況と受注残高
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平成24年3月期第3四半期
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平成25年3月期第3四半期
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受注高/百万円
|
受注高/百万円
|
増減率
|
土木
|
官庁工事
|
36,827
|
43,068
|
16.9
|
民間工事
|
10,443
|
8,808
|
-15.7
|
|
合計
|
47,270
|
51,876
|
9.7%
|
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建築
|
官庁工事
|
1,557
|
2,500
|
60.5
|
民間工事
|
98,912
|
91,710
|
-7.3
|
|
合計
|
100,469
|
94,210
|
-6.2%
|
|
官・民(海別)
|
官庁工事計
|
38,384
|
45,568
|
18.7%
|
民間工事計
|
109,355
|
100,518
|
-8.1%
|
|
国内第3四半期受注計
|
147,739
|
146,086
|
-1.1%
|
|
海外土木
|
8,531
|
12,663
|
48.4
|
|
海外建築
|
7,920
|
15,947
|
101.4
|
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海外第3四半期受注計
|
16,451
|
28,610
|
73.9%
|
|
不動産開発事業等
|
0
|
0
|
|
|
その他
|
0
|
0
|
|
|
第3四半期受注総合計
|
164,190
|
174,696
|
6.4%
|
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2013年3月第3四半期(12月)受注繰越高
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||||
受注残高
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土木
|
82,328
|
100,371
|
21.9
|
建築
|
130,574
|
185,699
|
42.2
|
|
海外
|
50,537
|
34,219
|
-32.3
|
|
不動産開発事業等
|
0
|
0
|
0.0
|
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受注残高合計
|
263,439
|
320,289
|
21.6%
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業績推移と今期予想
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連結/百万円
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売上高
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営業利益
|
経常利益
|
当期利益
|
12年3月期第3四半期
|
207,142
|
2,535
|
1,203
|
252
|
13年3月期第3四半期
|
229,250
|
2,738
|
1,723
|
199
|
前期第3四半期比
|
110.7%
|
108.0%
|
143.2%
|
79.0%
|
13年3月期予想(前回予想)
|
320,000
|
5,700
|
4,100
|
2,100
|
13年3月期予想(今回予想)
|
335,000
|
5,800
|
4,100
|
1,500
|
今回予想/前回予想
|
104.7%
|
101.8%
|
100.0%
|
71.4%
|
12年3月期実績
|
313,558
|
4,691
|
3,311
|
1,374
|
11年3月期実績
|
298,647
|
4,962
|
3,600
|
1,541
|
10年3月期実績
|
336,476
|
6,601
|
5,501
|
2,543
|
通期予想/前期比
|
106.8%
|
123.6%
|
123.8%
|
109.2%
|
13年3月期第3四半期
|
総資産
|
純資産
|
自己資本
|
自己資本率
|
|
227,880
|
22,720
|
19,420
|
8.5%
|
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