アイコン ヤマックス(熊本市)/3月決算 赤字露呈

コンクリ二次製品の同社は、同業のヤマウ(福岡市)のようには業績がいかないようだ。同社は特に土木用・建築用のPC・ALC板に強いが、九州でのニーズは低く、埼玉県羽生市の埼玉工場や東北ヤマックスの受注が今後の鍵を握るものと思われる。
同 社は当期について、東日本大震災の被災地への復旧・復興に向けた国の新しい具体的な施策は乏しかったものの、一部民間による作業環境整備を目的とした設備 投資への着手や宅地確保のための造成工事など、被災地の復旧に向けた動きは活発な様相を呈している。一方、被災地以外の地方自治体の公共事業への取り組み 姿勢は、不安定な政局の影響から予算の減少や予算執行の遅延など消極的なまま推移した。

<土木用事業>
こうした状況下同社は、土木用事業は、継続的な取り組みである大型コンクリート構造物のプレキャスト化への設計活動を精力的に進めるとともに、民間工事へも積極的に取り組み、雨水を貯留し浸水から街を守る地下貯留槽をはじめとした一部の防災関連製品の売上は堅調に推移した。また、前期末より東北ヤマックスが連結子会社となり、この結果、売上高は90億66百万円(前期比24.0%増)となったが、同社の再建初年度に係る販管費などの固定費の負担や、工事発注量の少なさに起因する同業者間の競争激化は避けられず、営業利益は2億63百万円(前期比▲42.0%減)となった。

<建築用事業>
建築用事業は、関東地区は、ミナト建材の下館工場の生産休止と、それに伴う当社埼玉工場への生産集約が完了し、下落した販売価格への対処を目的としたコスト削減にも取り組み、結果、売上高は33億64百万円(前期比▲15.0%減)、営業利益は1億1百万円(前期は▲1億38百万円の損失)となっている。
以上、土木・建築用とも営業利益は確保されているものの、最終業績は、東北ヤマックスの再建初年度に係る販管費の負担もあり、営業損益は▲1億63百万円の赤字(前期は▲2億57百万円の赤字)、経常損益は▲3億72百万円の赤字(前期は▲3億12百万円の赤字)。また、当期純損益は連結子会社である(株)ミナト建材において受注物件の製造遅延に伴う賠償費用を特別損失に計上したこともあり▲4億57百万円の赤字(前期は6千万円の利益)となったとしている。

今期については、東日本大震災による被災地の復旧・復興に向けて歩調を早める国の政策に即応できる体制を構築するとともに、防災をテーマとした公共投資関連需要が伸長することが予測されるため、地方自治体の動向にも留意し、これらを確実に収益に結び付けるための営業体制の強化と情報収集への注力が急務であると認識している。また、今後予測される原材料の高騰に対しては、更なる生産効率の向上に努めるとともに販売価格への転嫁も視野に入れた企業努力に邁進していくとしている。
ミナト建材と東北ヤマックスの特別費用がなくなることから、今期は部門別利益に即した利益が確保できる見通しとしている。
アベノミクスではガタ付いてきている日本の強靭化政策として、首都高速や全国の主要高速道の老朽化対策工事などがクローズアップされており、同社は対応が期待されるものの同業者も多く、旧道路公団=NEXCOの設計への落とし込みなどを目的に、ロビー活動費を増加させるなど積極的な営業強化が求められよう。同社は、せっかく、関東にも東北にも進出しているのだから。

連結/百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
10年3月期
13,797
614
415
432
11年3月期
11,792
236
95
31
12年3月期
11,500
-257
-312
60
13年3月期
12,682
-163
-372
-457
13年期/12年期比
110.3%
 
 
 
14年3月期予想
14,500
420
280
280
14期予想/13期比
114.3%
 
 
 
 
[ 2013年5月20日 ]
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