アイコン シャドーバンキング対策 中国中央銀行が信託銀行の融資監視を強化

中国の中央銀行である中国人民銀行は21日、シャドーバンキングの拡大に伴うリスク抑制措置の一環として、信託会社による全融資を信用情報データベースに加えると発表した。
 信託部門は、シャドーバンキングに占める割合が最も大きく、銀行が不良資産を処理するのに、信託会社を活用するため、規制当局は的確なリスクの把握が困難となっていた。

中央銀行は、2011年から幅広い実体経済の流動性を示す指標である社会融資総量を公表し始めた際、信託部門の融資の一部も算入していた。
 信託融資は過去数年で急速に拡大、実体経済を下支えしてきたものの、信託融資はリスクの高く、取引情報の一部は透明性に欠けるとしている。
 中銀は、すでにデータベースに含まれている信託会社に対し、正確で完全な融資に関する情報を迅速に提供するよう要請、その他の信託会社についても、融資資料をできるだけ早期に提出するよう求めた。
 中銀のデータによると、信託部門による新規融資額は7月1074億元(約175億ドル)となり、6月までの上半期の月平均融資額2050億元から半減している。これは、6月にリスクの高い貸し出しを取り締まり始めた影響からと見られる。
 以上。

 日本のバブル時代、不動産バブルを演じさせたのは、国の政策と全国の金融機関であったが、特に住専や信託銀行が高リスク融資を繰り広げ、その後のバブル崩壊で、多くの住専や信託銀行を潰したことは、現在の中国のシャドーバンキング問題と酷似している。
(アメリカでも、ハゲタカファンドとヘッジファンドが格付機関と結託してやりたい放題に対して規制しなかったことに起因するリーマンショックであった)

 しかし、中国では、今日に至っても大都市の不動産価格は上昇し続けており、世界経済の低迷により、融資先を失った金融機関が総じて不動産関係への融資を続けているものと思われる。
 今回、これまで金融政策当局のコントロールが効かなかった信託銀行および信託会社の融資データをデータベース化することで中国の金融当局は、大規模な金融機関の不良債権処理に当たらせる端緒に付いたものと思われる。

 すでに、幽霊都市造りに奔走し不動産開発会社と化かした地方政府への融資問題が表面化しており、地方政府要人の粛清も含め、今後、シャドーバンキング・それに連なる銀行に対して大鉈が振るわれるものと見られる。
ただ、それをせずして、次のステップへ問題の先送りをした場合、すでに、家賃高騰などにより大都市では住めなくなってきている住民の不満が、さらに深まり、その矛先を反日だけに費消させるにも限界が早期に訪れるものと思われる。

[ 2013年8月22日 ]
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