エル・シー・エーＨＬＤ／現物出資過大評価で課徴金３億５千万円 破綻？
ハゲタカのおもちゃゲームとなっている東証２部上場のエル・シー・エーＨＬＤの株であるが、４日の株価は１円値が上がり７円となっている。
証券取引等監視委員会(証取委)は４日、エル・シー・エーＨＬＤが現物出資で増資したこと関し、過大評価をしているとして、課徴金３億5,329万円の納付命令を発するよう金融庁に申請した。
証取委は４日、金融庁設置法第20 条第１項の規定に基づき、エル・シー・エーＨＬＤに対し３億5,329 万円の課徴金納付命令を発出するよう勧告した旨の発表をなした。
また、併せて、同日付で証取委は、金融庁設置法第20条第1項の規程に基づき、訂正報告書及び訂正届出書の提出命令を発出するよう勧告した旨、発表した。
なお、監視委員会の発表内容の詳細につきましては監視委員会ホームページをご参照下さい。
同社が、増資を行うに当たり、当該現物出資財産を構成する土地及び建物の一部につき評価額を過大にし、投資不動産及び純資産額を過大に計上するなどしていたとしている。
証取委
エル・シー・エーＨＬＤが、関東財務局長に対して提出した有価証券届出書のうちに、以下のとおり、金融商品取引法第10条第１項に規定する「重要な事項について虚偽の記載」があると認められたものである。
平成21年４月28日に提出した有価証券届出書（株式）には、第一部【証券情報】第１【募集要項】２【株式募集の方法及び条件】（１）【募集の方法】欄の株式会社オナーズヒル軽井沢（以下「オナーズヒル」という。）を割当予定先とする「出資の目的たる財産の種類、その価額」に掲記された「(注)４.」及び同欄の「(注)８.不動産の価額について」において、真実は、出資の目的たるオナーズヒル所有に係る土地及び建物（以下「本件建物等」という。）の価額の合計額として決定された「土地の価額合計1,693,049千円 建物の価額合計211,565千円」が、本件建物等の真実の価額を大幅に上回るものであり、かつ、本件建物等の価額を決定する際に取得した不動産鑑定士の鑑定評価書及び弁護士の証明書は、本件建物等の一部につき大幅に過大な賃料収入を算定の基礎資料として鑑定評価及び相当性の証明がなされたのであるから、それらの事実を記載しなければならなかったのに記載することなく、本件建物等の価額について「土地の価額合計1,693,049千円 建物の価額合計211,565千円」と記載するとともに、当該価額の算定根拠について「当社は，会社法第207条９項４号に基づき、本件不動産の価額が相当である旨の不動産鑑定士の鑑定評価書及び弁護士の証明書を取得しております。当社では、発行価額の公平性を担保するため、会社法の定めに基づき、不動産鑑定士の不動産鑑定評価書及び弁護士の証明書を入手の上、本件不動産の価額を決定いたしました。」と記載し、あたかも本件建物等の価額の合計額として記載された価額が、公平性の担保された過程を経て決定された、本件建物等の真実の価額の合計額として相当な価額であるかのように記載されている。
ほか略。以上、証取委文面。
課徴金総額は、増資後の決算書類、平成21年８月20日（５月期の決算書）から、四半期ごとに課せられ、その累計額となっている。
なお、同社は当該不動産について、返済されていない借入金３千万円＋利息の返済を求め競売が次のとおり申し立てられている。
＜競売申立の概要＞
(1) 強制競売開始を決定した裁判所及び年月日
長野地方裁判所佐久支部 平成25年11月６日（当社到達日 平成25年11月14日）
(2) 当該強制競売を申立てた者
商 号 ： 株式会社ワイアンドティ
所在地： 宮城県塩竃市新富町30 番26 号
代表者の役職・氏名：代表取締役 佐藤 幸道
(3) 強制競売開始の決定を受けた不動産
当社が長野県北佐久郡軽井沢町に保有するオナーズヒル軽井沢の土地（２筆）及び建物（対象不動産の平成25年11月14日現在の簿価264百万円）
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エル・シー・エーＨＬＤの主要株主 2013．5.20日現在
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株式会社オナーズヒル軽井沢
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53,559,500
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16.13
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ザ バンク オブ ニューヨーク系
|
10,031,600
|
3.02
|
|
カイザーグローバルインベストメント
|
9,259,200
|
2.78
|
|
株式会社ＭＫＭホールディングス
|
7,930,000
|
2.38
|
|
エスアイエックス エスアイエス エルティーディー
|
6,600,000
|
1.98
|
|
久保 喜彦
|
5,000,000
|
1.50
|
|
コア パシフィック ヤマイチ インターナショナル ホンコン系
|
4,433,000
|
1.33
|
|
近藤 広嗣
|
4,010,000
|
1.20
|
|
佐戸 康高
|
4,000,000
|
1.20
|
|
水野 英行
|
3,900,000
|
1.17
|
|
計
|
108,723,300
|
32.75
|
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エル・シー・エーＨＬＤの業績推移
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||||
|
連結／百万円
|
2012年5月期
|
2011年5月期
|
2013年5月期
|
2014/5ＱＩ
|
|
売上高
|
1,280
|
3,290
|
1,107
|
74
|
|
営業利益
|
19
|
87
|
-192
|
-80
|
|
経常利益
|
-115
|
-58
|
-383
|
-132
|
|
当期利益
|
-239
|
360
|
-272
|
-95
|
|
総資産
|
3,340
|
2,959
|
2,932
|
2,822
|
|
自己資本
|
424
|
127
|
645
|
549
|
|
資本金
|
5,898
|
5,629
|
6,147
|
6,147
|
|
有利子負債
|
526
|
407
|
330
|
325
|
|
自己資本率
|
12.7%
|
4.3%
|
22.0%
|
19.5%
|
増資額の資本金の対価として、当該地の不動産が資産計上されており、競売が実行された場合、「当該不動産の増資額分－借入負債３千万円」および課徴金の合計が、資産から消え、このままでは債務超過になる。
また、証取委の指摘により決算修正を行うだけでも、債務超過に陥るおそれがある。もう、破綻しかないのだろうか。また、ウルトラＣで増資するかも知れないが、証取委も含め、厳しい目が入っている。
[ 2013年12月 5日 ]
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