アイコン ノーベル賞の医学者 科学3大誌 商業主義と槍玉に ネイチャー・サイエンス・セル誌

昔、ネイチャーの報道がなされていたことを思い出す。そこでは、送られてくる科学者・化学者・医学者などからの研究論文を、内部や外部の協力者のもとで検証が行われ、間違いないかチェックを受けたものを掲載するという方法だった。
し かし、ノバルティスの降圧剤ディオバン(バルサルタン)は、偽造臨床データに基づく大学医学部教授からの研究論文が、そのまま世界五大医学誌の1つとして 知られる「 ランセット」誌に掲載された。ノバルティスの営業社員達が、掲載された「 ランセット」誌を持ち、格式や品質を高め、日本中の医者達を信用させ、超大型商品に仕立てた。

しかし、当論文はおかしいと疑義の証明書面をランセット誌に、京大医学部の医者が投稿し、問題が世間に知られることになった。周知のとおり、当論文は臨床データが、ノバルティス社の社員が大阪市立大学医学部非常勤講師となり、ノ社社員であることを隠し講師の名だけで、臨床を受託した大学医学部の教授らに提供する臨床データを改ざん・偽造していた。一見教授らは被害者のようであるが、ノ社のグルだった。

薬剤世界最大手の一角ノバルティスの降圧剤であり、高血圧の専門研究医ならば、その効能において、論文に疑問を呈そうが、今では、そうした専門家での論文検証が疎かになっているようだ。
逆に、ランセットなどは、「日本から提出される論文はいい加減だ」と日本タタキすることにより、論文検証もろくにせず掲載したその責任問題を転換している。

当然ランセット誌などの科学誌は、広告掲載料などにより経営されており、広告主関係の高評価論文は神様の論文ということになる。

こうした科学誌の掲載論文で、掲載後撤回された論文は、2002年には46件であったそうだが、2012年には415件に上っているそうだ。10年で10倍とは、それほど、信用ができない科学誌となっていることの現われ。(新自由主義の下、ハゲタカにより投資された研究機関が商業主義・成果主義に陥り、研究者を煽るためこうした事態にもなっている)

そうした、世界的な科学専門誌に対して、今年ノーベル生理学・医学賞を受賞した米カリフォルニア大バークレー校のランディ・シェックマン教授(64)が、当該の世界3大科学誌は、商業主義的な体質で、科学研究の現場をゆがめているとし、今後、3誌に論文を投稿しないと発表した。

多く研究者や研究機関は、掲載されることにより、評価が高まるとして、3誌への掲載を競うが、教授は「3誌は科学研究を奨励するよりも、ブランド力を高めて販売部数を増やすことに必死だ」と指摘している。

シンガポールの国営の研究機関の最新研究施設では、世界から高給で研究者を招聘している。しかし、契約期間があり、世界的な科学誌にどれほど論文が掲載されたかにより、契約期間の更新判断がなされるという。しかし、3大誌の実態は、上記の有様だ。
 

[ 2013年12月16日 ]
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