アイコン WHO/エボラ出血熱死者計1145人 過去2日間で76名増 開発中の医薬品・ワクチンの数々

世界保健機関(WHO)は8月15日、西アフリカで流行するエボラ出血熱による死者が、13日までに感染の疑い例を含め計1145人に達したと発表した。
 13日までに感染が確認されたか疑われる患者は計2127人。死者の内訳はギニア380人、リベリア413人、シエラレオネ348人、ナイジェリア4人。過去2日間に76人増加、感染の拡大傾向が続いている。
 一方、WHOは15日の声明で、開発段階の薬に副作用の恐れなど課題がいくつも残されていると強調、過度な期待にくぎを刺した。
 以上、報道

現地の医療機関は、医療機関に行かずカウントされていない患者や死者数をカウントすれば、発表されている数値の倍以上になるだろうと報告している。なぜなら、現地人は、西洋医学や医師を信用していない原住民も多く、病院や診療所等へ訪れようとしない。そのため、感染者が拡大している。

国境なき医師団(MSF)のジョアンヌ・リュー会長は15日、エボラ出血熱の抑制に半年程度かかるとの見通しを明らかにした。
西アフリカを訪問した会長は、同地域で猛威を振るうエボラ熱について「戦争のようであり、今も進行している」と指摘。現場はさらに多くの専門家を必要としていると訴えている。

<地元の病院、医師や看護婦が恐怖から閉鎖>
リベリアの国連事務所は、多くの住民が病気への知識がなく、医師や看護師が病気を恐れて診察を中止している。首都モンロビアの病院はほとんど閉鎖され、感染の拡大は危機的状況にあるとしている。感染者拡大を防ぐ最期の砦の病院での隔離が、病院も閉鎖されたら、感染が拡がるのも当然だろう。

<未承認のワクチンの数々>
1、 現在、カナダ政府の研究者が開発したエボラ出血熱のワクチンをライセンス供与しているニューリンク・ジェネティクス は、人間を対象とする初の安全性試験開始に十分な薬品量が手元にあり、数週間以内に開始できることを明らかにした。 
カナダの医薬品テクミラ・ファーマシューティカルズが開発しているエボラ出血熱の治療薬について、米食品医薬品局(FDA)が7日、感染者への試験的投与を部分的に認めた。サル実験では、感染から24時間または48時間後の投薬で生存率が83%、72時間後では67%だった。

2、米マップ・バイオファーマシューティカルが開発しているエボラ出血熱の治験薬「ジーマップ=ZMAPP」が、リベリアでエボラ熱に感染した米国人2人に、米国アトランタの大学病院に運び込まれ、投与され、病状が安定しているとされるが、この2人は、過去エボラウイルスに感染し助かった若者の血清も投与されており、どちらが効いているのか判明していない。

3、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK) は10日、米国立アレルギー・感染症研究所 (NIAID)の科学者らと共同開発したエボラ出血熱ウイルスの実験段階のワクチンについて、臨床試験が近いうちに始まると明らかにしている。
中期臨床試験に入っているエボラ薬やワクチンはなく、見切り発車しない限り、例え、手続きを速めたとしても、新ワクチンの幅広い実用化に向けた準備が年内に整うことはなさそうだが、WHOでは緊急事態にその見切り発車を行う。

これまで開発されているエボラワクチンは、いずれの薬剤も感染から短期間で投与された場合にのみ、効果を発揮するようだ。

4、米FDAは7日、富士フイルムホールディングス (医薬品開発は子会社の富山化学工業)のインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」(商品名:アビガン錠)を、エボラ出血熱の治療に使えるかどうかの確認手続きに入っている。
同薬は、タミフルなどと異なり、インフルエンザに感染して時間が経過していても、ウイルスの活動そのものに作用するため、効能は失われないとされる。
当薬はすでに日本の厚生省から2014年3月に条件付で承認され、富山化学工業が日本国内での製造販売承認を取得している。
ただし、すぐに製造・販売が開始されるわけではなく、新型インフルエンザが流行し他の薬が効かないと国が判断した場合に限り、厚生労働大臣の要請を受けて製造を開始するという特殊な承認となっている。
なお、動物実験で奇形の発症事例があり、妊婦の使用厳禁やセックスには避難具絶対使用条件となっている。
 当薬は、ウイルスの細胞内での遺伝子複製を防ぐことで増殖を防ぐ仕組みの医薬品。そのためウイルスの種類を問わず抗ウイルス作用が期待できるとされている。
(その後、当薬は米国でまったく話題に上がらなくなっている。やはり、米国・カナダ・英国などの国や医製薬メーカーが、これまでにエボラ医薬品の開発に多額を投資しており、横取りされないためかもしれない。そんなことがあるのが現実の西洋世界だ。)
 

[ 2014年8月18日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサード リンク

コメント

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索