アイコン 長崎大学病院敷地内にエボラウイルス等扱うBSL-4研究施設開設へ

フクシマ原発事故で安全神話など崩れているにもかかわらず、長崎大学は、長崎市内の長崎大学病院敷地内に、エボラウイルスなど最高難度の危険な病原体を扱う実験施設の設置計画を進めている。

長崎大学では、エボラウイルスなど、最も危険度が高い病原体を扱うことができる「BSL-4」(バイオセーフティーレベル-4)と呼ばれる実験施設を設置し、世界各地で発生する新興感染症についての世界的な研究拠点にしようと計画している。

施設の設置にあたって、長崎大学は2日、具体的な設備や運営のあり方についてアメリカやイギリスなど海外のBSL-4施設で調査を行うため、専門の組織「推進室」を来年度に設けると発表した。
推進室の設置や海外で調査を行うための費用として、来年度、平成27年度の文部科学省の概算要求におよそ1500万円が盛り込まれたという。

この施設をめぐっては、事故や自然災害などで病原体が外部に漏れ出すおそれがあるとして周辺住民などから反対する声も上がっているが、須齋正幸副学長は「概算要求に盛り込まれたということで、事業に一定の評価を得られたと考えている。予算がつく、つかないにかかわらず、住民の不安が解消できるようにきちんと調査を進めていきたい」と話しているという。
以上、

BSL-4研究施設は、日本にも2ヶ所あったが、万が一のことを心配して住民が反対運動を起こし、格下げ研究施設になり、存在しない。
そこで長崎大学は、付属病院の敷地内にBSL-4施設建設を計画している。当然、国は願ったりかなったりであり、建設予算はすぐ付くものと思われる。

しかし、「観光都市長崎」、一旦、BSL-4施設で問題が生じた場合、観光業者にとって壊滅的な影響を受ける可能性が高い。

長崎県には、東シナ海に向け多くの島々があり、そうした島など隔離された場所でのBSL-4施設の建造では、万が一の問題も少ないだろうが、市内での研究施設建造は問題がありすぎるのではなかろうか。
世界の大学でもBSL-4研究施設はある。しかし、そうした大学等の研究施設は、広大な敷地内の一角にあり、狭い日本の大学施設のような場所には建造されていない。
世界の大学にはこうした研究施設があるとするだけで、施設建造はリスクが多すぎると思えてならない。
一部の市民を除き長崎市民も、長崎観光業者も無関心すぎるのではなかろうか。
エボラ出血熱ウイルスの西アフリカでの拡がりは、一向に収束の気配を見せず、約3000人の感染者が2万人まで拡大するWHOは警告している。致死率60~80%とされている。

レベル4の実験室がある国は限られており、日本では国立感染症研究所と理化学研究所筑波研究所にレベル4実験室が設置されていたが、近隣住民の反対によってレベル3での運用のみ行なわれている。
そうした中、長崎大学が手を上げた。
BSL-4研究施設は世界に42ヶ所ある。
特に米国に多いのは、細菌(病原菌)戦争を否定できないところにもある。

グローバル化した世界にあり当然、日本にも研究施設が必要だが、長崎市内のド真ん中に、防御ワクチンも治療薬もない最高危険度の病原菌を扱うBSL-4施設を造るのはいかがなものかと思われてならない。
また、現在のフクシマの東電に見るように、万が一のことを想定すれば、純国立での研究施設の取り扱いが必要だろう。万が一パニックになった場合、長崎大学では限界があり、長崎大学そのものがパニックに陥ってしまおう。

世界のBSL-4研究施設
1
保健省クイーンズランドウイルス研究所
オーストラリア
2
オーストラリア動物衛生研究所
オーストラリア
3
国立高度安全研究所
オーストラリア
4
共和国微生物疫学研究センター
ベラルーシ
5
国立微生物学研究所
カナダ
6
トロントの研究施設(名称不知)
カナダ
7
生物予防センター
チェコ
8
ジャン・メリューP4高度安全実験室
フランス
9
フランスヴィル国際医学研究センター (CIRMF)
ガボン
10
ロベルト・コッホ研究所
ドイツ
11
ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所 (BNI)
ドイツ
12
フィリップ大学マールブルク
ドイツ
13
フリードリヒ・レフラー研究所
ドイツ
14
全インド医科大学
インド
15
高度安全動物疾病研究所 (HSADL)
インド
16
ルイージ・サッコ病院
イタリア
17
国立感染症研究所
イタリア
18
国立公衆衛生環境研究所 (RIVM)
オランダ
19
国立ウイルス学・生物工学研究センター
ロシア
20
防衛科学機構 (DSO)
シンガポール
21
国立伝染病研究所
南アフリカ
22
スウェーデン感染症研究所
スウェーデン
23
ウイルス学・免疫予防学研究所
スイス
24
高度密閉研究所
スイス
25
中国科学院武漢病毒所
中国
26
中華民国国防部国防医学院予防医学研究所
台湾
27
健康保護局感染症センター
イギリス
28
国立医学研究所NIMR
イギリス
29
イギリス国防省防衛科学技術研究所 (DSTL)
イギリス
30
アメリカ疾病予防管理センター (CDC)
アメリカ
31
ジョージア州立大学
アメリカ
32
NIAID総合研究施設
アメリカ
33
国立生物防衛分析対策センター (NBACC)
アメリカ
34
アメリカ国立衛生研究所 (NIH)
アメリカ
35
アメリカ陸軍感染症医学研究所 (USAMRIID)
アメリカ
36
国立新興感染症研究所 (NEIDL)
アメリカ
37
NIAIDロッキー・マウンテン研究所群
アメリカ
38
ガルベストン国立研究所 (GNL)
アメリカ
39
Shope研究所
アメリカ
40
サウスウエスト生物医学研究機構 (SFBR)
アメリカ
41
Division of Consolidated Laboratory Services (DCLS)
アメリカ
42
国土安全保障省国立生物農業防御施設
アメリカ
 
[ 2014年9月 3日 ]
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