アイコン スコットランドが独立か 9月18日投票日 懸念されるスペインへの飛び火

イングランドが、スコットランドの独立はありえないと高を括っていたが、9月18日の投票日を控え、直近の世論調査で始めて独立派が独立反対派を51%獲得して上回り、独立が現実化してきた。
  すでにイングランドは、スコットランド独立派に対して、ポンド貨幣使用の禁止や各種サービスに対して難問を突き付けており、動揺するスコットランド住民が 独立反対に回るのか、独立支持に回るのか注目されていた。この間の世論調査では、そうしたイングランド側のスコットランド独立に対する嫌がらせのような言 動に対して、スコットランド住民が嫌気して独立支持に傾いたようだ。

5月時点でのスコットランドにおける世論調査では、独立支持派は20%代だったが、急速に独立派が支持を増加させ、直近では過半数の51%の支持という大逆転劇を呈している。英国政権派の重鎮たちが、いろいろスコットランドの独立後に対して、不安を煽ったり、イチャモン付けたり、これが逆効果になっているものと見られる。

<スコットランド>ケルト系スコット人から名付けられる
1、民族
スコットランドは、イングランドの北部に位置し、民族はケルト系民族、北西部をスコット人、北部高地にゲール人(今でもゲ-ル語)、北東部をピクト人、南部にブリトン人であるが、ほかにゲルマン系なども住んでいる。(概して、ケルト系はアイルランドに近い民族)

2、人口
約500万人
(イングランドは人口53百万人・・・ゲルマン系アングロ・サクソン人やノルマン人などの混血がイングランド人。元々、ケルト系のブリトン人が住んでいたが、アングロ・サクソン人の制服によりブリトン人は北へ追放された。)

3、元あったスコットランド王国
スコットランドにはスコットランド王国があったが、1707年イングランド王国と合同し消滅。
 合同するに当たり、両王国でいろいろな取り決めがあり、その効力は今でも生きているという。

4、有名なのは、
タータンチェック、キルト、スコッチウイスキー、バクパイプ、ゴルフ発祥の地。
5、有名なスコットランド人は、
ベル、カーネギー、アダム・スミス、キーツ、コナン・ドイル、マセソン、ショーン・コネリー、ブレア元首相など、各方面で活躍した人材が多い。
6、経済基盤は
北海油田。スコットランド最大の都市グラスゴーでは造船、鉄鋼、石炭産業なども。

<最近の独立気運>
 スコットランドのイングランドに対する反発は、鉄の女とされるサッチャー(元)首相に起因している。造船や鉄鋼、石炭など製造業が盛んなスコットランドで、サッチャー政権による労働組合への弾圧に強い反発を招いた。それ以降、イングランド保守派と共同歩調の保守派(当時スコットランド最大派閥)が退潮、今では英国国会で1議席しかスコットランド保守は議席を有せず、民族派が台頭している。
 
英国は、EU脱退を模索するほど加盟国ながらEUと距離を置き、ユーロ圏にも属していない。スコットランドは、逆に欧州型社会民主主義への支持率が高いことで知られている。
しかし、スコットランドが独立してEUに加盟するには、全加盟国の承認が必要となる。英国=イングランドが難クセを付けたらEU加盟も長期間を要することになる。

こうしたスコットランドの状況に、英国ポンドは経済不安の見方からポンド安に振れている。

<スペインに飛び火か>
もしも、スコットランドが独立することになれば、スペインに飛び火する可能性が高い。元々スペインでは、バスク地方(フランスとスペインの北部地方)やカタルーニャ地方(フランス南部の地中海に面する地域、代表都市バルセロナ)では、独立の気運が強い。
スペインで、もし、独立動きが現実化した場合、スペイン経済の多くを受け持つ経済的にも豊かなカタルーニャであり、スペイン経済に与える打撃は大きい。EU経済はまた不安定域に突入することになる。

何かしら、ウクライナにおけるロシア系住民、スコットランド、経済疲弊のスペインなど、民族独立運動の大きな波が押し寄せてきているようである。
 

[ 2014年9月 9日 ]
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