アイコン アメリカ イスラム国の3万5千人を空から殲滅へ

米中央情報局(CIA)は11日、イラクとシリアで勢力を広げるイスラム過激組織「イスラム国」の戦闘員の人数について、情報を見直した結果、2万~3万1500人に達したとの推計を明らかにした。
米当局者らのこれまでの見積もりは、最大1万人で、短期間で2~3倍に膨れ上がった計算になる。
報道官は戦闘員急増の理由について、「戦場での成功やイスラム国家樹立宣言などを受けた今年6月以降の動員力の強化」を挙げた。
以上。

そのうち1万人が、欧米などからの参戦組だとされ、アメリカがシーア派とクルド人に対して、支援を続ける限り、スンニ派のアラブ人はさらにイスラム国に終結する可能性がある。

イスラム国は、元々ある会だの一派として誕生、今では、アメリカが支持してきたイラクのシーア派のマリキ政権に反発したイラクのスンニ派の若者が主力を務めており、既にイラク中部からシリア中部へ支配地域を広げている。武器はシリアの反政府組織に対して、西側諸国から大量に供給され、元々シリアの反政府組織の一組織としても戦闘していたことから所有、また、イラクモスルではイラク軍の都市守備隊を殲滅・崩壊させ、大量の武器弾薬を保持している。
イスラム国は、アルカイダの別部隊を攻撃してアルカイダと絶縁、シリアでは政府軍や反政府勢力とも交戦している。

スンニ派は、イラン・イラク以外のイスラム教徒の殆どがスンニ派であり、アラブの春で北アフリカでは、各国で紛争の流動化が生じ混沌とした状況が続いており、イスラム国に合流している若者も多いという。
アメリカのオバマ大統領は、先般、米記者2人が殺害され、中間選挙を前にして、民主党が大苦戦しており、民主党の人気回復のため、イラクの部分空爆から、今では大規模空爆を展開している。

それでも民主党の苦戦が続いている。そうしたことから、作戦をエスカレートさせ、シリアのイスラム国に対して大規模空爆を行い殲滅すると発表した。
シリア内戦勃発時には、欧米は反政府勢力支援のため、軍隊を進駐させる動きに出たが、ロシアから阻止され、それ以後、アメリカではオバマ人気が消滅。しかし、今ではロシアとはウクライナ問題で敵対関係であり、気にする必要もなくなったことから、シリアへ攻撃を行う。
ただ、シリア空爆には、中国が反対している。アメリカは中国を説得するため、裏で大きな譲歩をしている可能性がある。そうしたことからか、中国の反対もトーンは低くなっている。

アメリカの中間選挙における民主党勝利のために、アメリカ軍によるイラクやシリアへの空爆は激しさを増すことになる。戦争では大義名分を何とでも言うが実態はそんなもんだ。
以前のアメリカは、自国の選挙毎に戦争を中南米・アラブへ仕掛け、もっとすごかった。戦争において、国民が一番まとまり、選挙でも勝利をもたらす。アメリカでは、個々の殆どの家庭で銃を所持しており、戦争が大好きな国のようだ。
ただ、オバマ大統領がいつまでイラク・シリアを空爆し続けるかは、はっきりさせていない。イスラム国軍3万5千人を殺害してしまうまでだろうか。

<国際包囲網構築>
アメリカが主導して、サウジアラビア西部ジッダで11日開催された対テロ地域会議にアラブ10ヶ国が参加した。イスラム教スンニ派の過激派「イスラム国」に対抗するため、米主導の包括戦略の推進を確認する共同声明を発表した。
幅広い有志国連合の構築を目指す米国にとって、親米国を総動員させた。それに加え、先進7ヶ国(G7)議長国のドイツのシュタインマイヤー外相は11日、今月下旬にG7外相会合を開きイスラム国対策を協議する意向を表明。イスラム国に対して国際包囲網を構築する。
対テロ地域会議の共同声明では「必要に応じて、イスラム国に対する軍事作戦のあらゆる側面」に加わり「役割を果たす」としている。

会議のアラブ10ヶ国には、アラブの親米国が参加しているが、一方で、イラクのシーア派を肩入れすることにもなり、サウジや湾岸国のスンニ派各国は、米国と一枚岩ではない。イラクのイスラム国を殲滅させることで、イラクのスンニ派が難民にでもなれば、イラクはシーア派が完全に牛耳ることになり、ペルシャ人のイランのシーア派とともにシーア派のイラクがサウジなど、長期的に宗派対立を起こす可能性がある。米国と共同運命体のイスラエルも、シーア派のイランを信用しておらず、シーア派のイランにも敵対心を有している。
また、イスラム国と対峙しているイラク北部のクルド人に対して、米国は武器を供与し支援しているが、クルド人は独立を標榜しており、それはイラク北部にとどまらず、トルコ北部に至る。そのため、クルド人の独立運動を嫌うトルコは、イスラム国殲滅後、由々しき問題が発生する可能性がある。
 

[ 2014年9月12日 ]
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