アイコン 田上市長/MICE施設に固執68億円予算計上へ 金子原二郎国会議員も反対表明

長崎市はJR長崎駅西側にある2ヘクタールの用地を68億円で取得するための補正予算案を、3日開かれた定例市議会の本会議に追加提案した。
こ の予算案は、当初、国際会議場などを備えたMICE施設の建設を目的にしていたが、先の議会で否決されたため、田上市長は提案理由について「長崎の経済活 性化のために重要な『交流拠点施設用地』として取得したい」と述べて、建設する施設名を明確にしないまま、用地だけを先行取得する方針に変更した。

長崎市の田上市長は、MICE施設の建設に向けた用地取得費のための補正予算案として68億円の予算案を先の9月定例議会に提案したが、説明不足などを理由に否決されていた。

こうした事態を受けて、長崎市の田上市長は、12月3日開催された定例議会の本会議で、この用地について「長崎にとって経済活性化のために重要で、街作りの観点からも『交流拠点施設用地』として取得したい」と述べ、今回は建設する施設名を明確にしないまま用地だけを先行取得する考えを示した上で、その費用として68億円の補正予算案を改めて追加提案した。

こうした用地取得目的の変更を受け、今議会でのこの予算案の審議はこれまでMICE施設関連の議案を扱い否決された「環境経済委員会」ではなく、土地取得の案件を主に扱う「建設水道委員会」に変更されることになった。

この点について、一部の議員からは「結局、市側はMICE施設としての活用を念頭に置いているのは間違いなく、目的をあいまいにした形での今回の提案を市民にどう説明するつもりか」などといった批判が出されている。

長崎市の田上市長は、本会議のあと記者団の取材に応じ、今回、議会に追加提案した用地取得のための予算案について、「長崎市はいま、将来に向けた基盤作りの大事な時期を迎えている。長崎駅西側の土地の購入に今回踏み切らなければ、長崎にとって大きな損失となる。そのため、今回『交流拠点施設用地』として提案し、活用目的をMICE施設に限らず、用地をまず取得できる形にした」と述べている。
以上、
採算性を考えない、あったら便利は、トヨタの生産現場では無用の長物として厳禁だぁ。

追、
田上市長のバックの議員と目されている金子原二郎国会議員(元知事)は、オフィシャルのHPの活動報告で次のとおり記載し、MICE施設建設計画に警鐘を鳴らしている。
以下、HPより

現在、長崎市では大規模な国際会議、学会、展示会などを開催できる大型コンベンション施設(「MICE」)の建設計画について、議会で様々な意見が出ているほか巷でも話題になっています。
 これについて私は、長崎市の財政状況を考えた時に、現在検討されているような多額な投資をして本当に大丈夫なのか、十分な投資効果があるのか、という懸念を持っています。

 MICE施設の建設は、全国の各都市で計画されており、九州でも福岡市、熊本市はじめ各地で施設整備が検討されています。
 福岡の場合は、既に大規模MICEの誘致実績を挙げており、全国有数の集客力がありますが、交通の便が良く、一流ホテルをはじめ宿泊施設が充実しており、MICE誘致に積極的な大学も多数あるほか、多くの大企業が、九州の拠点として事業所、研究所を置くなどハード・ソフト両面で環境が整っています。

 一方、長崎では、長崎大学と長崎市とでコンベンション誘致に関する協定を締結しておりますが、他都市との誘致競争に勝ち、MICE施設を有効に活用して数多くの集客を実現するのは決して容易なことではなく、現在計画される5千人収容可能な施設を建設しても、年間でどれだけ活用されるのかという懸念があります。

 市や財界の中には、箱物さえ造れば多くの集客を見込めるのではないかといった錯覚があるように思われますが、冷静な判断が必要です。

  現在の計画では、土地取得費が約72億円、建設費が約144億円とされ、市の資料によると、このうち国庫補助として交付税措置があることなどから市民の実質負担は約150億円になるとしていますが、この算定は不確定なものです。

過去に長崎歴史文化博物館や長崎県美術館を整備した際には、地域総合整備事業債により7割の交付税措置がありましたが、現制度では交付税措置も最大で3割しかないことから、大半が市民の負担となります。

また、上記博物館や美術館などは公有地(市有地)を適正な価格で購入しましたが、今回のように用地取得費だけで70億円もの費用をかけることには疑問があります。

 長崎市の財政は楽観視できる状況ではありませんし、国の財政事情も厳しく、今後交付税の減少が見込まれる中で、この計画を進めて本当に大丈夫なのかという声は少なくありません。

 長崎市では、他にも取り組むべき課題がハード・ソフト両面で多くあります。
 観光振興の面では、長崎市には多くの観光資源、歴史的建造物がありますが、リピーター確保策は決して十分とは言えず、旅館ホテルの耐震化も求められています。
 また、美術館や博物館、図書館等は市民にとって必要なものと考えられますが、MICE施設は市民にとって本当に必要なものとは言えません。
 
長崎市は年間140億円の経済波及効果があると試算しているようですが、これだけ多額な投資をして万一想定した効果が得られなければ、将来にわたり禍根を残すことになりかねず、失敗は許されません。
 
このようなことからMICE建設計画については、長期的に見て真に長崎のためになるのか、今後冷静な検討、熟議を経た上で決定すべきと考えます。
以上。

なかなか的を得ている。身内からの警鐘だ。
田上市長のもう一人の身内の「やいちの活動」のHPでは、谷川建設だけあって、地元の建設族を刺激しないように触れていないようだ。
 

[ 2014年12月 4日 ]
スポンサード リンク

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索