アイコン トルコ/クルド人と再びテロとの戦いへ

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2013年に和平プロセスが始まったトルコ政府とトルコ南東部に居住するクルド人独立闘争組織PKK(トルコ労働者党)との事実上の停戦合意。

  イスラム国が、シリア国境沿いのトルコで行ったに自爆攻撃、これまで、トルコとイスラム国は暗黙の蜜月時代を築きあげてきた。それはイスラム国がクルド人 独立派組織と戦い、クルド人を消耗させていることにほかならなかった。そのため、NATO加盟国でありながら、イスラム国を攻撃しないどころか、イラク・ シリア国境に近い空軍基地さえアメリカに貸すこともなかった。

 しかし、イスラム国の自爆攻撃を受けたトルコ政府は怒り狂い、イスラム国基地を直接空爆するとともにクルド人組織の基地にも空爆、そして、アメリカに空軍基地の貸与も表明した。

 イスラム国に対する空爆攻撃は当然のことだが、停戦していたPKK(クルド人労働者党、アメリカ・EUテロ組織認定しているものの、イスラム国対策に武器大量供与)に対して、攻撃したことは今後トルコの不安定化を招く恐れが高くなったと見られる。
 PKKがこれまでと異なるのは、アメリカはじめ有志国から大型銃火気はないものの大量の兵器がイスラム国との戦闘のため供与されていることにある。

 PKKは多くの女性兵士を擁し、女性に殺されたら昇天しないとされるイスラムの教えから、イスラム国兵士は、PKK女性兵士が攻撃してきた場合、戦線離脱者が大量に出て戦闘にならないとの報道がなされてきた。 現実、一帯でイスラム国の進撃を食い止めているのはクルド人武装組織。
そのクルド人組織は、イスラム国との戦いでは、戦闘意識も銃火器もトルコとの停戦時とは飛躍的に強化されている。

トルコは当然、アメリカはじめ有志国によるイスラム国退治が成功した場合、そうしたクルド人武装組織が逆に脅威となる。そのため、イスラム国と戦うクルド人組織を支援しているアメリカの反感を買わないように、アメリカや有志国に対して自国の空軍基地を貸与することで、アメリカの反感の芽を摘み取り、クルド人武装組織を攻撃したといえよう。
ただ、クルド人組織は、イスラム国との戦闘において、より過激となっており、PKKがほかの武装組織のクルド人兵士たちを糾合して組織を拡大する可能性もある。イスラム国が旧フセイン政権のスンニ派兵士たちを糾合して組織を急拡大させたように。

悲劇のクルド人たちは、トルコ南東部(1200万人)、シリア北部(300万人)、イラク北部(600万人)、イラン北部(600万人)に住む世界最大の国を持たない山岳民族。
第2次大戦前後に、一帯を植民地化した欧米諸国の身勝手さとその後の利権獲得のため、大戦後の世界での独立運動機運に現行の国々に分散させられた経緯がある。クルド人たちが国を持たないのは、今では涼しい顔している欧米の責任でもある。

トルコ南東部のディヤルバクル県リジェ地区で25日夜、トルコ軍の車列が自動車爆弾による攻撃を受け、トルコ軍の兵士2人が死亡、4人が負傷した。ディヤルバクル県当局が7月26日発表した。
トルコ軍が2011年以降としては初めてイラク北部にあるクルド人武装組織「クルド労働者党(PKK)」の拠点を空爆したことを受け、PKKは25日、2013年からおおむね守られてきた停戦を継続する前提条件が崩れたと表明していた。
クルド労働者党が独立を目指して数十年前から続けた武力闘争、トルコ全土でのテロ行為により、これまでに数万人のトルコ人が死亡している。

クルド人と再びテロとの戦いへ

[ 2015年7月27日 ]
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