総建替費用試算 LaLa横浜とパークスクエア三ツ沢公園
スポンサード リンク
横浜の2件の分譲マンションの傾斜問題を受け、元売主たちは改修するか建て替えるか所有者たちの意向に沿うとそれぞれ発表し、住友不動産のパークスクエア三ツ沢公園は解体へ大きく動いている。
当問題は施工したゼネコンの問題であるが、これまでの裁判事例では改修工事で専門の第3者機関から安全が保証されるならば、建て替えの必要性までは認めていない。
しかし、当問題では、危険が想定される物件とそうでない一団のマンション(改修工事で安全可能)すべてを解体するかどうかが問われている。
ゼネコンとしては、腹では改修で終わらせたいだろうが、施主(=売主・事業主)との今後の取引を勘案し、施主に従うしかないようだ。
|
パークシティLaLa横浜
|
パークスクエア三ツ沢公園
|
所在地
|
横浜市都筑区池辺町4035-13(地番)
|
神奈川県横浜市西区宮ケ谷
|
|
ららぽーと横浜隣接
|
ブルーライン三ッ沢上町駅
|
敷地
|
30,380.06m2
|
12,400㎡
|
構造
|
建物階数:地上12階
|
建物階数:地上11階
|
総戸数
|
全4棟、705戸
|
全5棟、262戸
|
専有面積
|
63.92m2~105.09m2
|
71m2~119.18m2
|
延床面積
|
約3万1000㎡
|
70,881.73m2(21,441.72坪)
|
完成時期
|
2007年12月
|
2003年3月
|
事業主
|
三井不動産、明豊エンタープライズ
|
住友不動産
|
設計監理監修
|
三井住友建設
|
熊谷組首都圏一級建築士事務所
|
施工
|
三井住友建設
|
熊谷組
|
方針
|
||
事業主
|
全棟建て替え(所有者の希望に沿うと)
|
全棟建て替え(所有者の希望に沿うと)
|
ゼネコン
|
不明
|
59億円引き当て
|
下請け
|
旭化成建材、改修工事方針
|
不明
|
<建築費用>
分譲マンション(RC造)の工事予定額平均推移(東京都の場合)
|
|
延床面積平方メートル当たり/万円
|
|
2011年
|
21
|
2012年
|
21
|
2013年
|
23
|
2014年
|
25
|
2015年
|
25
|
国交省新築着工、東京都の分譲マンション新築費用
<解体費用>:一般相場を適用
<総建替費用試算>
建て替え総費用試算
|
||
|
パークシティLaLa横浜
|
パークスクエア三ツ沢公園
|
解体工事
|
約13億円、坪6万×(延床70,881.73÷3.30578)
|
約6億円、坪6万円×(3万1000㎡÷3.30578)
|
建築費用
|
約160億円、延床3万1000㎡×25万円×0.9(原価率)
|
約71億円、延床3万1000㎡×25万円×0.9(原価率)
|
慰謝料
|
不明
|
約5.2億円、200万円×262戸
|
引越し費用
|
不明
|
約1億円、平均40万円×262戸
|
賃貸負担金
|
不明
|
約25億円、平均40万円×262戸×24ヶ月
|
その他
|
|
|
合計
|
|
約108億円+その他
|
<こうした不良不正マンションが増加すれば、メジャー7の大手に集中する可能性>
ただ、こうしたことができるのは施主が住友や三井といった旧財閥企業だからであり、今後こうした問題が発生した場合、資本力のないデベロッパーやゼネコンでは、法定範囲内の改修工事しか行わないものと見られ、販売が財閥系の大手中心になる危険性がある。
法律では、売主が負う瑕疵担保責任は10年間であり、売主は平成21年10月から引き渡された分譲マンション等住宅物件については保険に入るか供託するか義務付けられている。
パークスクエア三ツ沢公園は10年を経過しており、住友不動産は、そのブランドに傷がつかないように全費用負担+慰謝料付で、全棟建て替えを容認しているものと見られる。
熊谷組にしても当問題で59億円の引当金を積んでも1159億円の当期純利益を予想している(2015年3月期の自己資本535億円、自己資本比率21%)。
一方、LaLa横浜を施工した三井住友建設は、今期純利益予想は100億円だが、当問題に対しての引当金は目下のところ計上していない(2015年3月期の自己資本は344億円、同率12.3%)。実際は熊谷組より巨額になる引当金を計上できないのが実態だろう。また、旭化成がどう対応するかも注目されるところである(既に施工はしない方針を固めており、売主の不動産会社とは今後直接関係してこない・・・大型団地の建売・分譲では、へーベルハウスが関係するかもしれないが、三井不動産の団地から外されても大きな影響しない)。
中国のネットでは僅かの建物の高低差で建て替えられると、中国ではまったく考えられないと日本人の性格がほとんど笑い話となって報道されている。
[ 2016年3月28日 ]
コメントをどうぞ