＜インドネシアでは、誰が拿捕した中国漁船を爆破されているのか＞
ジョコ大統領は、中国寄りのメガワティ元大統領(親共路線を取ったスカルノ初代大統領の娘)のPDIP党に属する。ただ、政権は多くの政党による連立政権、与党各党や実業家などの出身者の全閣僚が中国寄りの政策を一方的に支持しているわけではない。PDIP党とは関係ない２人の陸軍関係者を入閣しているが、国軍はタイとは異なり歴史的に親共路線ではない。
昨年５月に続き、今年３月も拿捕した中国漁船などを大量爆破しているのは運輸相管轄の沿岸警備隊。当然、海軍・国防相も関係している。
ジョコ大統領は、沿岸警備隊の爆破処理に対して、国益および国民感情からして止めさせることはできないだろう。次回閣僚人事で関係閣僚を入れ替えする可能性があるが、国民の反発を買う可能性がある。そうすれば頼りの人気も急落必然となる。

＜インドネシアのFEZに関係する閣僚＞
１、国防相は無党派、リャミザード・リャクドゥ氏で元陸軍参謀長の強硬派、アチェ進軍の人物。
２、海洋水産相はスシ・プジアストゥティ女史、水産販売会社・航空会社などの実業家
３、海事担当調整相はリザル・ラムリ氏、政治経済学者。共産党系住民ら批判勢力50万人超を虐殺したスハルト大統領を批判して逮捕歴あり。反権力志向。
４、運輸相は、イグナシウス・ヨナン氏、実業家。インドネシア新幹線では建設許可を中国企業へすんなり下ろさなかった人物、運輸省海洋沿岸警備局・海洋沿岸警備部隊(KPLP)を管轄している。
５、政治・法務・治安担当調整相はゴルカル党(共産勢力大虐殺・不正のスハルトらが起こした党)のルフット・パンジャイタン氏で国軍（陸軍特殊部隊 コパスス）の陸軍退役大将。
以上、

インドネシア政府は、ASEAN会議では、南シナ海の南沙諸島埋め立て問題では中立の立場どころか中国寄り政策をタイ軍事政権とともに取っている。しかし、例え、インドネシア政府を代表する大統領がそうであったとしても、インドネシアの連立与党勢力や国軍がそうであるということではない。
ジョコ大統領は、親共路線のスカルノ初代大統領の娘のメガワティ元大統領が党首を務めるPDIP党に所属、メガワティは実娘をジョコ大統領発足とともに閣僚に入閣させるなどジョコ政権はメガワティの傀儡政権の様相を呈している。しかし連立政権であり、決して一枚岩ではない。現在のところ、ジョコ人気が国民の間で継続していることから、問題は噴出していないが、国民に不満となる問題を生じた場合は一気にガタイ閣僚全員が中国寄りというわけではない。

なお、アルゼンチンの警備艇は、中国漁船を違法操業により拿捕しようとしたところ、漁船が体当たりしてきたことから、攻撃、撃沈している。１１人の漁船全員は、ほかの中国漁船により助け出されている。

世界中で悪さの限りを尽くす治外法権国の中国漁船。