アイコン 韓中のTV市場争奪戦  半導体は過去最高の在庫 価格は暴落

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2000年代中盤、韓国メーカーが日本を上回った世界のテレビ市場で、中国メーカーが占有率1位に向け快進撃を続けている。
中国政府の液晶表示装置(LCD)事業支援に力を得た中国メーカーが、「プレミアム級」のテレビ市場にまで乗り出し、サムスン電子やLG電子との競争が本格化している。

市場調査機関のIHSが24日発表した今年第1四半期(1~3月)の世界テレビ市場出荷量報告によれば、サムスン電子とLG電子は合計で34.2%の占有率で韓国が1位を守った。
韓国メーカーは、市場全体の3分の1以上を占め、毎年首位を守ってきたが、注目すべきは中国メーカーの急成長にある。
中国メーカーは、2016年第1四半期に合計31.4%の占有率で、韓国に2.8ポイント差まで迫っている。
中国メーカーの市場占有率は、2014年は21.8%、昨年の2015年は27.5%と伸びてきが、四半期の占有率が30%を超えたのは今回初となる。

TV市場で、北東アジアの日中韓の間で三つ巴の戦いを演じてきたが、すでに日本メーカーは占有率が12.77%まで落ち、没落著しい。2016年第1四半期メーカー別に世界市場占有率、
韓国・サムスン電子は21.0%
韓国・LG電子は13.2%
中国・ハイセンスは5.6%
中国・TCLは5.6%
日本・ソニーは5.2%
中国・スカイワースは5.0%
中国・コンカ、
中国・チャンホン(長虹)
と続く。

上位10企業中の半分は中国メーカー。ただ、中国勢の販売市場は、まだ中国国内を主としている。
しかし、「ハイセンス」、「TCL」、「スカイワース」は、最近2~3年の間に大きく成長している。
占有率3位だった日本のソニーを2015年凌駕したハイセンスとTCLは、それぞれ5.6%の占有率を示した。5%のスカイワースは、ソニーとの占有率格差を0.2ポイントまで縮めている。

IHSが、昨年末に中国市場を除く50インチ以上(1000ドル以上)のテレビ市場の占有率を調査した結果、中国メーカーが輸出し販売したテレビは全体の8.3%程度だった。
中国メーカーが、依存する内需市場から飛び出し、海外市場へ本格的に展開した時、世界市場で本格的な中韓の激しい競争となる。
 こうした中、中国メーカーの海外進出も急速に進んでいる。
ハイセンスは、北米市場攻略のため、昨年日本のシャープのメキシコ工場を買収、
TCLは、日本のサンヨーのメキシコ工場を買収、
スカイワースは、ドイツの電子メーカーのメッツを買収して、ヨーロッパ市場への進出を準備している。
中国メーカーは、韓国メーカーが力を注ぐ2500ドル以上の超高価格製品部門(プレミアム市場)も高付加価値から狙っている。
 中国メーカーが、安価な液晶テレビを売り出すと、サムスン電子は量子ドットディスプレイを使ったSUHDテレビを出し、LG電子はOLED(発光有機ダイオード)テレビで差別化を図ってきた。
しかし、スカイワースが2014年にOLEDテレビの生産を始め、同じく中国のコンカ、チャンホン(長虹)も、OLEDテレビ市場に参入したため、格差は次第に縮まると見られている。
以上、韓国ハンギョレ紙参照

こうして、TV世界市場で覇権を争うサムスンとLG、その割には儲かっていない。サムスンに至っては、スマホをはじめTV・家電製品に組み込む半導体やディスプレーを自社生産しており、大量に販売しなければ、総体の利益が落ち込むという事情がある。

<半導体市場>韓国勢、過去最高の在庫量
世界の半導体市場が昨年第4四半期から不況に入り、業界を代表するサムスン電子、SKハイニックスは業績低迷、在庫増加という二重苦に直面している。
2016年第2四半期に入り、為替相場がウォン高に転じたことも不安材料となっている。
両社の第1四半期の半導体在庫量は、金額換算でサムスン電子が7兆4024億ウォン(約6850億円)、SKハイニックスが2兆1939億ウォン(約2030億円)と過去最高水準を記録している。

業績も低迷しており、SKハイニックスの第1四半期の営業利益は5620億ウォン(約520億円)で、前年同期の3分の1に落ち込んでいる。
サムスン電子の営業利益も前年同期を約10%下回る2兆6300億ウォン(約2440億円)に落ち込み、第2四半期の見通しも暗い。
メーカーの生産技術向上により、生産量が増えたのに対し、半導体を使用するスマホ、パソコンなどIT機器の販売が低迷、各社の業績i反映している。

<半導体価格も暴落>生産過多
市場調査会社DRAMエクスチェンジによると、主力のメモリー半導体であるDRAMの平均価格は4月29日1.31ドルまで下落した。2013~14年に付けた3ドル台後半の高値水準に比べると3分の1となっている。
サムスン電子とSKハイニックスは、世界のDRAM市場で1、2位の座にある。
パソコンとスマホの大容量メモリーとして使用されるNAND型フラッシュメモリーの価格も2.02ドルまで下落している。これも2013年半ばに付けた5.52ドルに比べ半額以下となっている。
以上、韓国紙等参照

TV市場は過去、日本勢が韓国勢の安値攻勢に市場を奪われる中、日本勢は高付加価値のプレミアム市場へと特化させた。そして、そのプレミアム市場を韓国勢に奪われて久しい。

まったく同じことが、韓国勢と中国勢の間で今生じてきている。中国勢が本格的に世界市場に打って出たならば、韓国勢は一溜まりもないだろう。
今や、高精細の技術など、一瞬のうちにパクラレ、逆に特許まで取得するほどあつかましい限り。どっちもどっちの中韓、ただ、守銭奴に徹する中国勢は国家のご加護もあり奥も深く、立ち向かうだけムダというもの。そうした中国勢を利用してこそ、利益が上げることができるというものであるが、一筋縄にはいかない。
 

[ 2016年5月26日 ]
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