アイコン 中国ご破産に 米ロス-ベガス間の高速鉄道

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昨年9月、中国の習近平国家主席の訪米5日前に電撃的に発表された中国初の米国高速鉄道建設プロジェクト。この計画が、発表からわずか9ヶ月で白紙になった。

中国と合弁契約を結んでロサンゼルス-ラスベガス間の高速鉄道建設を推進してきた米国のエクスプレス・ウエスト社は(2016年)6月9日(現地時間)、ホームページを通して「事業パートナーの中国鉄路国際有限公司(CRI)と締結した契約を取り消した」と発表した。

米国のロサンゼルス・タイムズや中国国営の新華社通信なども10日に報じた。CRIは、中国国営の鉄路総公司が出資した米国の現地子会社。

エクスプレス・ウエスト社側は「CRIの契約履行が遅く、同社が米国連邦政府から事業承認を受けるのは困難と判断して、このような決定を行った」と説明している。

同 社のトニー・マネルCEO(最高経営責任者)は「われわれが直面した最大の困難は、高速鉄道の車両を米国国内で作るべきだという連邦政府の要求。事業継続 のため、新たなパートナーを探している」と語った。(合衆国政府へローン申請したが、バイアメリカン条項を満たしていないとして却下されていた)
これについてCRI側は、「エクスプレス・ウエスト社側の一方的な契約取消は、性急かつ無責任な行為で、明白な契約違反」と反発している。

エクスプレス・ウエスト社側は昨年9月17日、CRIとの合弁による高速鉄道プロジェクトを発表。

CRI側は、当時「今回の事業は、中国の高速鉄道事業史において里程標になるだろう。1億ドル(現在のレートで約107億円)の初期投資を提供したい」とコメントしていた。
しかし、具体的な合弁内容は公開されていなかった。

エクスプレス・ウエスト社側は、建設資金調達を米政府にローン承認を受けるべくバイアメリカンにおいて、CRI側に対し、米国に車両の製造工場を造るよう要請していたものと見られる。それに対して、CRI側はなんら回答をせず、今回の事態に至ったものとみなれる。工事着工は今年9月からの予定であり、エクスプレス・ウエスト社側は根本問題を解決しないまま、CRI側が着工開始すれば、取り返しが付かなくなることから、今回の契約解除となったと見られる。

(建設費用は約50億ドルとされ、初期の1億ドルはCRIが賄い、残りは、 エクスプレス・ウエスト社(カルフォルニア州政府など)が調達することになっていた。

<インドネシアの例>
中国はインドネシア新幹線でも、建設申請書を中国語だけで申請、英語もしくはインドネシア語で申請しなかったことから当局はチンプンカンプン、2016年1月21日起工式を開催したものの、当局の実際の工事許可区間は、まだ当初の5キロのままとなっている(2016年4月末時点)。
中国側は翻訳し再申請するくらい早期に出きようが、遅々としてそれをせず、5キロ区間の工事をゆっくりゆっくり行っている。最近では、同工事に関し中国企業が沿線予定地近くの空軍所有地を勝手にボーリングしてお叱りも受けている。
開発申請書では、内容に問題があるのかもしれないが、中国式なぁなぁなぁ契約がアメリカでは通用しなかった。

<メキシコの例>
メキシコでは、メキシコ市と中部ケレタロを結ぶ総距離210 キロメートルの高速鉄道整備計画があり、2014年7月中国勢で決定した。
メキシコ政府が、入札のための内容開示から入札日まで異例のスピードで行い、中国勢1社しか入札しなかった。国際批判を受け、再入札したが、予定通り中国勢で決定した。ところが、ペニャニエト首相と財務相側に、中国側から豪邸がプレゼントされていることが判明、贈収賄の大スキャンダルに。
こうしたことからペニャニエト大統領は高速鉄道建設の無期限延期を発表した。これを受け、中国側は賄賂も渡しておりカンカンで、損害賠償請求を検討しているほど。

中国は過去12年間で、総延長1万7千キロに達する世界最長の高速鉄道ネットワークを建設し、こうした実績に基づいて海外の高速鉄道事業の受注に乗り出している。2015年7月には、中国政府も海外進出を強化するため、中国国営2大鉄道メーカーの中国南車集団と中国北車集団を合併させ、中国中車とするほど力を入れている。
(中国中車は、中国政府直轄の国営鉄道メーカーであるが、こうした国営企業も、ハゲタカのアメリカが守銭奴の中国を取り込むため、間接会社を経由して上場している。間接会社であることから、いくら上場株を購入しても株主の経営に対する権利はまったくない。歪だろう・・・。)

 

[ 2016年6月13日 ]
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